What → Why → Howの使い方

 聞き方にも順番がある。

 What(何が) → Why(なぜ) → How(どうしたら)の順に聞くと、問題の本質に迫る質問になって、好印象を残せる。

 例えば、営業会議で「理想の目標」と「現状の実績」にギャップがあり、部長が議長となって対策を練っている。しかし新人としては何の知識もなく、発言すらできない。そんな時、会議の後半で「何か質問ありませんか。何でも聞いてください」とサインが出た。

 もう一度言うが、このサインを逃してはいけない!

 さあ、間髪をいれずに質問をしよう。

■What(何が)
「あの、目標と実績にギャップがあるとのことですが、一番大きいギャップは具体的 に何でしょうか」
→ 問題を特定するための質問

■Why(なぜ)
「次に、その大きいギャップが生まれたのはなぜでしょうか。要因を教えてください」
→ 問題の原因を探る質問

■How(どうしたら)
「では、その要因を解決するために、どうしたらいいのでしょうか。今までやってきたことと、これからやろうとしていることを教えてください。これからやろうとしていることで、私にできることがあれば、参加させていただけませんでしょうか」
→ 問題解決に向けた前向きな質問

 これら3つの質問をするだけで、「50代部長」から、「あの新人、なかなか問題の本質を突くし、前向きなやつだな。今度、プロジェクトメンバーに入れてみるか」などの好印象を残せるかもしれない。

 「20代新人」というルーキーにとって、「50代部長」は雲の上の存在だ。野球でたとえるなら、大リーグの4番バッターのようなものかもしれない。

 それでもひるまず、果敢に内角を直球で攻めていこう。直球とはもちろん、キレのある質問だ。相手のためにもなり、自分のためにもなる。

 職場において新入社員は、即戦力にほど遠い。それでも組織に新鮮な風を運んでくれる一輪の花だ。ようやく周りの景色が冷静に見えるようになってきた頃には、現場の会議に引っ張り出されることもあるだろう。そんな時は、機会を逃さず積極的に質問をしよう! 大輪の花を咲かせる第一歩になるはずだ!

文/横田伊佐男 イラスト/和田ラヂヲ


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