笑顔から生まれる「ハッピーなシワ」だってある!

LiLiCoさん 私こういう仕事をしているからネイルができないんですとか、化粧ダメなんですとか、言い訳が出てしまいがちですが、できることはあるんじゃないかと思います。(ネイルはできなくても)すごく髪の毛をきれいにするとか。アフターファイブにおしゃれするとか。

野宮さん 仕事の関係でそんなに派手な服装ができないなら、下着に凝るとか。

LiLiCoさん 「私脱いだらすごいんです」ってやつですね(笑)。

野宮さん それもあるけど、特に誰かに見せなくてもすてきな下着を着けてたら、気持ちが上がりますよね。朝から気分がいい。

LiLiCoさん おいくつぐらいのときに、自分自身でいることの大切さを受け入れられたんですか? 何かきっかけは。

野宮さん 40代はいろいろ悩みました。頑張り過ぎてたんだという感じがあります。今まで似合ってたお洋服が似合わなくなったり、髪に艶がなくなってきたり、肌にハリがなくなってきたり。並べていくと落ち込んでいくのでこのへんにしますけど(笑)。いろんなうれしくない変化が訪れて、それを受け入れるのが難しくて。若さにしがみつくことがぎりぎりできる年齢なので、いろいろ試してみたりもしました。ボトックスもやったし。

 若さってやっぱり艶じゃないですか。ヘアスタイルはロングで、美容院に行ってストレートアイロンで伸ばして、艶々にして、すごく手をかけお金も時間もかけてました。でも、あるとき、艶のあるさらさらのストレートヘアだけ見るとすごく若いんだけど、その中にある自分の顔にすごいギャップを感じたんです。「あ、若作りし過ぎると逆に老けて見えちゃうんだな」と40代後半ぐらいにハッと気付きました。

「やり過ぎても逆に老けて見えちゃうんだなと分かりました」と語る野宮さん(右)
「やり過ぎても逆に老けて見えちゃうんだなと分かりました」と語る野宮さん(右)

 それから変えましたね。髪を切りました。美容師さんの意見を聞いてちょっと客観的になってみたんです。「この前髪じゃなきゃダメ」とかいう自分の思い込みってあるじゃないですか。そういうのも忘れて、プロの人から「このほうが似合う」という客観的な提案をしてもらって、それを受け入れて試してみると、「なんかこの髪型いいね」と言われることが増えました。プチ整形するお金の余裕があるなら、月2回美容院に行ったほうが全然きれいに保てると思いますよ。

LiLiCoさん その前にさらりとおっしゃいましたが、ボトックス試したって。

野宮さん ちょっとやってみたりしません? そういうの。

LiLiCoさん ボトックスは筋肉の動きを止めちゃうと聞くから、ヒアルロン酸だったらやってみたいなと思うんですけど。

野宮さん 歌を歌うのに熱唱はあまりしないんですけど、うぁっ、と声を出すとき眉間にシワが寄っちゃうんですね。くせが付いちゃうんで、あまりくせが付く前に……と思って、やったことがあります。

LiLiCoさん すごいですね。試したいです。私は映画を見てるときに、ずっと映画と同じ顔しているんですよ。痛い映画だと痛い顔もするし。もうシワだらけ。

野宮さん シワもね、いいシワもありますよね。笑いジワはハッピーなシワだし。

LiLiCoさん ずっと笑ってれば分からないかと思って、ずっと笑ってるんですよ(笑)。

野宮さん 笑顔は最高ですね。年齢重ねると。下がった口角も上がるし。だいたい笑っていれば、10歳ぐらい若くなりますよね。

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 その他にも、年齢を重ねてくすんだ肌には、赤い口紅やヒョウ柄など派手でゴージャスなアイテムがしっくりくるようになる――などのファッションの知恵を教えてくれた野宮さん。年齢を重ねることを恐れず、その時々の自分を楽しむ心の余裕が、いつまでもおしゃれであるためのコツのようでした。

文・写真/大塚千春