そして都議会定例会における代表質問ではモスグリーンのダークなスーツを着用しています。ダークスーツは権威を感じさせますから、答弁する立場に立ったときは説得力が増します。
そのままでは地味になりがちなスーツを同色のスカーフを挟むことで、上質なエレガントクラスに引き上げています。
洋服だけでなく、アクセサリーやパンプスも
小池氏の印象管理は洋服だけにとどまりません。アクセサリーは、目立ちすぎないが存在感ある、クオリティが高いものを常に身に着けるよう徹底しています。また、注目すべきはパンプスです。5センチ前後の高さと細すぎないヒールの安定感が支持を集めるポイントです。
ヘアスタイルも、周囲に媚びない凛とした印象を与えています。派閥の中で動く政治家ではなく、後ろ盾を必要としない政治家としての爽やかな印象を与えるのに、大きく貢献しているのです。
小池氏は確かに実力を持った政治家です。ただ実力だけで果たしてここまで活躍できたでしょうか。私は、海外のエグゼクティブと同じように、彼女が「印象管理」をうまく使っていることも人々の支持を勝ち得た一つの要因であると感じています。
お手本にできる装いをメディアで目にする機会が多いことは、働く女性にとっては、とても心強いものです。これからも、小池氏の装いを目にしたら、今日はなぜこの装いなのかを考えてみてください。きっと、装いの裏には、小池氏の「印象管理」の戦略が隠れています。
そして皆さん自身も、これをきっかけに、これから「自分をどう見せていきたいか」「どう印象管理すれば、願うゴールに近づけるのか」を一度考えていただけたら、うれしく思います。
文/吉村ひかる 写真/東京都提供
国際イメージコンサルタント(CIP)。BEST GRADE 代表取締役
東京女子大学と文化服装学院をダブルスクールで卒業後、三越伊勢丹ホールディングス(当時の三越)に入社。19年在職し、婦人服の店長、マーチャンダイザー、商品企画、顧客政策、婦人服部門統括管理を歴任。2009年、国際イメージコンサルタントの資格を米国にて取得し独立。2015年には日本で3人目のCertified Image Professionalに認定され、各界のエグゼクティブ、士業、コンサルタント、セミナー講師、営業職を中心にサポートを行いながら、大手企業や学校のセミナー講師としても活躍。公式ホームページ