「花に水をやる人」を探して

 ドラミ系女子の求める「成長」は「仕事上の成長」とほぼ同義のようです。そう、ドラミ系女子は仕事を第一に考える人が多いのです。ただ、彼女たちのパートナー選びやパートナー評価における「仕事」のウエートは高過ぎるのかもしれません。通信簿で例えるなら、「仕事」というたった1教科の成績でその生徒の全学力を断定しているようなものです。

 それでは、なぜ、そのような指標を持ってしまうのでしょうか。理由はひとつ。ドラミ系女子が、仕事上の高評価によって自らのアイデンティティを保っているからです。

 仕事に自信があること自体はとても良いことです。ただ、仕事に自信のあるあなたが「算数が得意な人」だとするなら、仕事以外に美点があるパートナー、あるいはパートナー候補を「図工が得意な人」として評価してもよいのではないでしょうか。あるいは、グラウンドで躍動するアスリートがあなたなら、パートナーは観客席で目いっぱいあなたを応援している――そういう人がいたら、もっと仕事を頑張れそうですよね。アスリートが必ずしもアスリートと交際する必要はないのです。

 あなたが努力の末に咲いた花ならば、それに見劣りしない花を隣に並べようとするのだけが人生ではありません。大切に水をやってくれる人、毎朝のように美しいねと目を細めてくれる人を探すのも、とてもすてきなことなのです。

どんなときも大切に水をやってくれる人が隣にいてくれたら… (C) PIXTA

 アンケートでは、こんな印象的なコメントもありました。

高学歴でも人を見下したり、自分に謙遜し過ぎて自信がないような人は嫌。高学歴の友人は、自分と同等以上の学歴の人を恋人として探しているが、本当はそこではないのだろうな、と違和感を覚える。(31歳、製造、営業、独身・未婚)

学歴や仕事や収入と、性は全く別物です。恋愛や結婚に最も影響しているのは、やっぱり性の一致でしょう。そこがうまくいけば、意外と他はカバーできる。結局、性の不一致が一番大きな不満やったんかなぁと今となってはつくづく思います。(42歳、コンサル、企業顧問、独身・未婚)

今まで相手には自分以上の常識や雑学力を求めてしまいがちでしたが、最近は業種や職種が全く違う人と出会えるように考えて行動しています。(40歳、研究所、研究開発、独身・未婚)

 人生において、恋愛や結婚は義務ではありません。でも、もし算数以外の教科にほんの少しでも興味を抱いたなら、踏み出さない手はないでしょう。そこには新しい出会いと豊かな人生が待っています。もちろん、あなたという花の輝きは損なわれないままに。

文/稲田豊史 写真/PIXTA

プロフィール
稲田豊史
稲田豊史(いなだ・とよし)
編集者・ライター。キネマ旬報社を経て2013年にフリーランス。単著に「セーラームーン世代の社会論」「ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代」がある。映画関連のコラム・レビューを多数執筆するほか、雑誌「サイゾー」誌上で「オトメゴコロ乱読修行」を連載中。