――社会人になってからもバリバリ働くIさんの恋愛には、高いハードルが立ちはだかったようですね。

 「入社当時に付き合っていた彼は、私が男性中心の職場で遅くまで働くことが理解できない様子でした。

 私以外、全員男性のプロジェクトで、飲み会で帰りが遅くなったり、残業をするために職場で簡単に夕食を取ることなどに対して、納得してもらえませんでした。

 彼は、仕事で使う資格のための受験勉強をしていたのですが、これまで私が大学受験や資格取得のためにやってきた勉強からすると、彼のやり方は非常に甘く、計画性がなく、自己管理もできていないことが気になり始め、尊敬できなくなってしまい、別れました。

 社会人3年から5年目ごろになると、仕事も恋愛もどちらもうまくいかない時期がありましたね。責任ある仕事を任せてもらって忙しく充実しているけれど、何か結果を残せるわけでもなく、周囲から期待してもらえるほどでもない中途半端な感じで……。

 同時に恋愛のほうは、結婚に結び付かない出会いばかりで。職場の男性陣は、高学歴で高収入、女性に優しく仕事もできる、さらに話が面白いという、いわゆる『高スペック』だらけ。そうなると、合コンに行って新しい出会いがあっても、なんだか物足りなさを感じてしまって、恋愛に発展しませんでした。

 当時は、仕事や恋愛に安定感がなくて不安になってしまい、焦りも出てきて……。今思うと何もかもが悪循環でした」

――そんな中、「高スペック」な上司と社内恋愛ののち結婚! いったい、何が起きたのでしょうか?

 「夫とは職場の上司、部下の関係で5年ほど過ごす中、プロジェクトが一緒になり、直接指導を受けている中でぐっと距離が縮まりました。

 どれだけハードな状況にあっても機嫌が悪くなったり八つ当たりをしたりしないところやコミュニケーション力、交渉力に優れていて、仕事をまとめ上げていくところに引かれました。これまでの恋愛でも相手を尊敬できるかどうかを私自身、一番大事にしてきたので、尊敬できる夫からの告白は素直にうれしかったです。

 仕事に恋愛を持ち込んだり、デート中に仕事の話をしたりすることはありませんでした。社内恋愛だったので最初はとにかくばれないように気を付けて……。職場に公表したときに足を引っ張られることがないようにという意識から、仕事への熱意と恋愛が両輪となって、うまく回ったように思います」

――周囲からも憧れの対象となる彼との社内恋愛。結婚へと成就させたポイントは、ズバリなんでしょうか?