私の元を訪れたある30代女性は、会社の人間関係に悩んでいました。上司や部下、同僚に自分の頑張りを分かってもらえない、ということでした。でも、自分だけで思い詰めていると、見当はずれの方向に頑張ってしまい、周りは迷惑をしているということもあります。モノに当てる光の位置を変えると全く違って見えたりするでしょう? これと同じで、人生も光の当て方を変えれば見えてくる別の世界があります。

 大切なのは、自分の可能性を狭めないことです。

 仕事がうまくいかず「仕事運が悪い」と思っていた人がいたとします。でも、実はその人は全く違うことに才能があるのかもしれません。私はよく経営者の方にアドバイスするのですが、今いる部署では貢献度の低い社員でも、他部署に配置転換すればその人が輝ける可能性も高い。その人の一面だけを見て諦めるのは早いのです。

恋愛はもういいと仕事に没頭していたら…

 仕事がうまくいかないというなら、転職するのも一つの方法です。終身雇用が当たり前だった昔に比べこんなに自由な時代なのに、なんで思い詰めるの?と私は思います。1つの会社にしがみつくことはない。例えば、今東京で働いているのであれば、より広い可能性を求めて地方に行く選択肢だってあるでしょう。東京にいれば家賃や食費が高い。場所を変えれば、東京ほど給料が高くなくても楽しく暮らしていけるでしょう。自分を大切にできるのは自分しかいません。幸せは自分でつかむものなのです。

 恋愛も一緒です。

 よくアラサー、アラフォー女性は、なかなかこれと思う男性と巡り会えないと言います。当然です。これという男性は、女性が早く目を付けて若いうちに結婚してしまうからです。

 ですから、こうした年齢の女性たちは自分に合う初婚男性を見付けようとするより、若い時に結婚したけれど離婚して、バツ1、バツ2になった男性を狙う方がいい。離婚は、若い時には気が付けなかったことが原因で別れたりするわけですから、決してマイナス要素ではないのです。

 他方、今付き合っている彼がいて、うまくいっていなかったとします。そうしたら、彼を手放して、その代わりに別のこと…仕事に打ち込んでもいいのではないでしょうか。私が相談を受けた方の中に、こんな女性がいます。

 恋愛はもういいと仕事に没頭していたら、ある日私のセッションで「一目惚れして結婚」という話になりました。「そんなのあり得ない」と彼女は一笑に付していたのですが、結局うんと年下の男性と結婚しました。白黒の風景がカラーになるように、ふと気に留めて周りを見回してみたら、相手が見えてきたのでしょう。「いい男性がいない」と思えばいないでしょうが、「いる」と思えば、周りは女性か男性しかいないのですから、相手がいないわけはありません。

 もちろん、結婚を目指さないというのも一つの考え方です。

 女性はよく周りから「30歳になっても結婚しないなんて」などと言われたりします。でも、同じ女性でも恋愛に一生懸命の人もいれば、淡白で興味がない人もいます。だから、みんなと同じことをしなくてはと考えない方がいいのです。彼氏がいないから本当に寂しいかといえば、その他のことで人生が充実してどうでもいい人もいます。ジャニーズが好きで、バリバリ仕事をして、おいしいものを食べて楽しいという人なら、それでいいではないですか。通り一遍の恋愛ハウツー本を読んで、それに振り回されてはいけません。

 人は周りに振り回されすぎます。いい悪いは人の評価ではなく、自分でどう感じるかなのです。

 次回は、「いい運」についての考え方を更に踏み込んでお伝えします。

「運」の正体

本書では、「運がいい人」とは「見当違いの努力をせずに、自分の運の波を感じて、その波にありのままに乗っている」人であり、運は「こころのリズムとリンクしている」といいます。「運」をどうとらえるか、「運」をつかむための8ステップ、「運」を上げる7つのメソッドなどを紹介。「自分がされて嫌なことはしない」「3カ月、3年…、“3”で区切って見直す」など、具体的ですぐに実践できることが満載の一冊です。
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