3. 筋肉と骨の材料を欠かさない

このタイプにおすすめ
⇒「隠れ肥満」タイプ
⇒「ぽっちゃり進行形」タイプ
⇒「リアルぽっちゃり」タイプ
⇒「やせ型×筋肉質」タイプ

 筋肉量は20代をピークに減少し続ける。その減少を緩やかにし、むしろ増やすには、3食しっかりたんぱく質を摂取することが大切だ。

 特に、朝のたんぱく質は不足しがちなのでしっかりとりたい。1食にとりたいたんぱく質は「若い人なら体重1kg当たり0.26g」。体重50kgの若い女性なら、1食で13gのたんぱく質が目安だ。

 最近注目されているのが、たんぱく質に含まれるアミノ酸のうち、ロイシンの量。ロイシンは、たんぱく質合成のスイッチを入れるアミノ酸で、ロイシンが多いとたんぱく質の合成が高くなる。

アミノ酸のロイシンが豊富な食材の一例

食事でとらなくてならない必須アミノ酸。そのなかでも、筋肉の合成のスイッチを入れるとして注目されているのがロイシンだ。脂身の少ない肉や、煮干し、凍り豆腐、乳製品などに多く含まれる。

朝食に高たんぱく食を食べると体脂肪が減る

平均年齢19歳の57人を「朝ご飯抜き」「たんぱく質13gを含む朝食」「たんぱく質35gを含む朝食」の3群に分けた。12週間後、朝食抜き群は体脂肪量が増加、たんぱく質35g群で体脂肪量が減った。(データ:Obesity;23,9,1761-1764,2015)

4. 筋トレやジャンプをする

このタイプにおすすめ
⇒「隠れ肥満」タイプ
⇒「やせ型×筋肉質」タイプ

 筋肉には瞬間的に働いてパワーを発揮する速筋と、体の動きを支えて長時間力を発揮する遅筋の2種類があり、ウオーキングで鍛えられるのは遅筋。だが、加齢によって衰えやすいのは速筋なので、筋トレなどで鍛えたい。また、縄跳びや踏み台昇降、階段を下りるといった、地面に対して垂直に負荷がかかる動きは、骨を少しでも丈夫に保つために続けたい。

 筋トレを習慣にした人には「3000歩増やす」はもう不要? 答えはNOだ。「持続性のある有酸素運動は、体内の血流を促し、血管の柔軟性を高めてくれる。将来の高血圧や、それに伴う脳梗塞や心筋梗塞の予防にもなる」(久野教授)。

「筋肉量が少ないやせの人は運動量が少ない場合が多い。その結果、骨ももろくなる」(タニタの西澤主任研究員)。筋トレやジャンプ運動で筋肉と骨を鍛えたい。

この人に聞きました
久野譜也教授
筑波大学大学院人間総合科学研究科
スポーツ医学専攻。筑波大学体育専門学群卒、同博士課程医学研究科修了。1996年に筑波大学先端学際領域研究センター講師、2011年より現職。02年につくばウエルネスリサーチを設立。

構成・取材・文/熊 介子、大屋奈緒子(編集部) 写真/鈴木希代江(モデル)、鈴木正美、有光浩治、川上尚見、三村健二、野口健志、福岡拓、今清水隆宏 モデル/micari スタイリング/中野あずさ(biswa.) ヘア&メイク/木下 優(ロッセット) イラスト/堀部久美子

日経ヘルス2017年8月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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