14人の自転車競技の選手に3時間のサイクリングを行ってもらった。運動前にブドウ糖かショ糖を入れた炭水化物の飲料を600ml(炭水化物86.4g)、運動中は15分ごとに150ml(同21.6g)を飲んだ。別の日にまた3時間のサイクリングを行い、1日目に飲んでいない炭水化物の飲料を飲んだ。ブドウ糖とショ糖の摂取量はいずれも1.7g/分だった。

 対照として4人の自転車競技選手が、水だけを摂取して3時間のサイクリングを行った。 核磁気共鳴分光法を使い、運動前後の肝臓と筋肉のグリコーゲン濃度を測定した。結果、水だけの群では、運動前に比べて運動後は肝臓グリコーゲン濃度も筋肉グリコーゲン濃度も減少した。

 一方、ブドウ糖群とショ糖群の肝臓グリコーゲン濃度は運動前後で大きな違いがなかった。筋肉グリコーゲン濃度は両群とも運動後は減少したが、その変化量は2群間で違いはなかった。

 運動中の呼気から推算した全身の炭水化物の利用量は、ショ糖群2.03g/分、ブドウ糖群1・66g/分と、ショ糖で多かった。

(Am J Physiol Endocrinol Metab.; 電子版Oct. 20,2015)

文/八倉巻尚子、編集部 写真/PIXTA

日経ヘルス2016年2月号掲載記事を転載
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