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 魚に含まれる魚油の摂取は、交感神経系を介して、脂肪を分解して熱を発生させ、体重増加や脂肪の蓄積を抑えることが、ネズミを用いた京都大学の研究で明らかになった。

 魚油にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれ、これらの脂肪酸は脂質を下げる効果があるといわれている。

 研究では食事のタイプによってマウスを分け、高脂肪食にDHAあるいはEPAを加える群と高脂肪食のみの対照群を比較した。すると、魚油を与えられた4群の体重はいずれも対照群に比べて低く、腹部の脂肪量も少なかった。また魚油の摂取で、酸素消費量の増加と直腸温の上昇が見られ、エネルギー消費が促進されたことがわかった。

 研究では脂肪細胞の変化も調べた。脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があり、前者は脂肪の蓄積を、後者は脂肪を分解して熱を発生する働きを持つ。さらに白色脂肪細胞の中には褐色様脂肪細胞という、褐色脂肪細胞と同じように熱を発生する働きを持つ細胞がある。

 魚油を摂取した群では、褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞で、熱の発生に関与するたんぱく質が増え、褐色様脂肪細胞の目印となる遺伝子の発現も増加、さらにこれらは交感神経系の活性化と関係していることがわかった。

(Sci Rep.; 5,18013,2015)

文/八倉巻尚子、編集部

日経ヘルス2016年3月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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