本サイトでも人気だった連載「深澤真紀の女オンチ人生」を発展させ、女オンチに「男オンチ、社会オンチ」までをテーマにした書籍が、来月、刊行されることになりました。対談相手として加わったのは、若手の社会学者、古市憲寿さん。「女オンチ、男オンチ、恋愛オンチ、社会オンチ」について、語り合いました。

今回のテーマは「恋愛・セックス・結婚」です。

本当は「セックスはめんどうくさい」?

深澤:「女性の魅力は容姿よりストックやスペック」ということでしたが、あなたは、セックスも義務制なんでしょう?

古市:義務制って?

深澤:「そろそろやらないと怒られるからする」システム。

古市:あー、ていうか、めんどくさいなって思っちゃう。

深澤:私は「男性がセックスめんどくさく思うこと」を、ちゃんと明らかにしていいと思うんです。セックスなんてそんなに重要なことだと思わないし、セックスレスな男がいたほうがいいと思っている。

 ただ社会的には「そんな男がいるはずはない」ってされて、草食男子も叩かれたわけです。

古市:そんな男もけっこういると思いますけどね。

深澤:以前、「アラサーちゃん」の峰なゆかさんがあなたに「セックスが嫌いだって言っても、本当は口でされるのは好きなんでしょ?」って聞いたら、「いいえ、それも嫌いです」って答えて、びっくりされてたよね(笑)。

古市:たしかに、「アラサーちゃん」のなかで4コマになってた(笑)。

深澤:男がみんな好きなわけでもない。そもそも江戸時代の春画にもあんまり描かれていなくて、日本ではポピュラーな行為ではなかったというし。

古市:男と女ってみんな勝手に幻想抱きすぎだと思う。必要のない幻想を抱いて、けっきょく傷ついてる人とかいますよね。

 そもそも、生殖に関することっていろいろめんどくさいじゃないですか。

深澤:私もそれはわかるんだけど、以前松本人志さんの「ワイドナショー」にあなたが出たときも「体液の交換がいやだ」って言って、YOUさんが引いたんだよね?

古市:そう、すごく引いてた(笑)

深澤:人間は社会的な動物なんだから、そういう人が出てくるのはひとつの必然で、一種の進化かもしれないと本当に思う。

 みんなが古市くんになっても困るけど(笑)、こういう人がいることはいい。

古市:これだけセックスレスの人が多いんだから、本当は一定数いるはずなんだけど。

深澤:女性はセックスや恋愛に積極的でなくても許されるけど、「男の性欲は本能だ」と思われて、男性は未だに許されない。人間の性欲は本能じゃなくて、脳の問題なんだけど、そう思われないことが多いから。