古市:社会的なスペックも高い方がいいでしょ?

深澤:「女性の容姿とか性格よりも、興味があるのは社会的なスペックだけだ」って言って、話題になった。

古市:だって容姿は劣化するじゃないですか。

深澤:収入だって劣化するでしょ。

古市:だから今、冷静に考えてみると、収入というよりも、資産のほうが大事だなって。フローよりもストック。ピケティ風に言えば、「g」(経済成長率)よりも「r」(資本収益率)。

深澤:「r>g」ね(笑)。じゃあ金持ちのお嬢様がいいってこと?

古市:うんまあ、いいと思いますよ。

深澤:あなたがいくら男オンチとはいえ、こういうことはなかなかはっきりとは言えない(笑)

古市:だって「みんなそう思ってんじゃないの?」って思っちゃうから。

深澤:ストックが大事だと思ってる人は、男にも女にもたくさんいると思うけど、みんなではないと思う。

 今までも、ストックとかスペックの高い女性としか付き合ってないの?

古市:まあでも意外とそうかも。違う人もいるけど、基本的に持ってる人が好き(笑)。あとは、才能ある人も好きですね。

深澤:私は「男性が、女性のストックやスペックを求めること」はいいことだと思うんだけど、それは男性は言いにくいことだよね。

古市:女性には結構いませんか?

深澤:女性にはいる。ただ女性でも「尊敬できる人がいい」とか言って、金だけが目当てじゃないってエクスキューズもするでしょ。

 あなたは「性格とか容姿よりも、ストックです」と言い切ってる(笑)

古市:だってそうだから。

日経ウーマンオンラインで人気を博した連載「女オンチ人生」が1冊の本になります!

 「女オンチ」とは、著者本人が自分のために作った言葉。生まれながらにして「女らしさ」というものが分からず、美魔女信仰が甚だしい現代の世の 女性たちとはズレた感覚の自分を、楽しく綴っている。化粧もしないで結婚式に出る、占いが嫌い、更年期障害や老眼を悲観するどころか楽しむ…かといって、女を武器にすることを否定をするわけでもなく…。

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Profile
古市憲寿(ふるいちのりとし)
1985年東京都生まれ。社会学者。若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)などで注目される。 日本学術振興会「育志賞」受賞。著書に日本社会の様々な「ズレ」について考察した『だから日本はズレている』(新潮新書)などがある。最新刊の 『保育園義務教育化』(小学館)では、女性が置かれた理不尽な状況を描き、その解決策を示す。