こんにちは。ライターの大宮です。僕は3年半前に大学時代の同級生と再婚をして、現在は愛知県の小さな町に住んでいます。夫婦仲は良好だと思っているのですが子どもはいません。10年ほど前に少しだけフラフラしていた頃は、恋人に生理が来るたびにホッとしたりもしていました。年齢のせいなのか、いざ子どもを作ろうとしてもなかなかできないものですね。「あの頃のバチが当たったのかな」と思ったりもします。

 一方では、「子どもがいなくて良かったのかもしれない」と感じることもあります。あまり言いたくはありませんが、僕はいわゆる甲斐性なし。父親としての役割を果たせる自信がないのです。もし子どもができたら、親らしいことは何もしないどころか、妻と子の密着度に嫉妬してしまうかもしれません。

 こんな僕なので、仕事仲間のグラフィックデザイナーである西川佳恵さん(仮名、42歳)の前夫には何か言う資格はありません。佳恵さんと同じくデザイナーであるタツヤさん(仮名、48歳)はかなりの浮気性かつ依存体質で、結婚生活には向いていない人でした。 「同棲中に妊娠がわかり、彼は困惑した様子でした。子どもは嫌いだと公言していましたから。結婚することも渋っていましたが、出産直前にようやく籍を入れることができました。結婚してから一緒に住んだのは2年半ぐらいだったと思います。5年間の別居中に下の子を妊娠して、離婚が成立したのは3年前です」

 別居中に妊娠という衝撃的なエピソードで、佳恵さんはタツヤさんに惚れ込んでいることがわかります。しかし、恋人としては魅力的なタツヤさんは夫や父親としての役割を果たすつもりはまったくありませんでした。

 「彼の持ち家に住んでいたのですが、私ばかりが忙しくなるようになってからは、彼はほとんど働かなくなってしまいました。飲みに行こうと誘われても、子どもがいるので行けるわけがありません。『じゃ、一人で行ってくるよ。お金貸して』と平気で言うのです。私という恋人を子どもに取られた感覚だったのかもしれません。もちろん、彼は相変わらず浮気をしていました」

 このままでは息子の教育にも良くない、働かない父親の背中を見て育ってほしくない、と佳恵さんは危機感を募らせます。そして、別のマンションを借りるなどの準備を済ませて、ある朝に飲んで帰って来たタツヤさんに「私たちは家を出ます」と言い放ちました。

昼時なので店内が混んでいます。「デザートを食べ終えたら店を変えよう」と佳恵さん。気遣いの人です