「女が男よりも働いて稼いではいけないんだな、と反省しましたね。男は甘やかすと働かなくなります。私が家を出たら、彼もまた仕事をがんばるようになるのかもしれない、そしたら子どもたちと戻って一緒に住もう、と密かに期待していました」

 妻のほうが高給取りの共働き夫婦も現在は珍しくはないですよね。その多くの夫婦関係がギクシャクしているとは思えません。佳恵さんの場合は、タツヤさんよりも稼いだことが問題なのではなく、夫婦としての相性が合わなかったのだと思います。頑張り屋の佳恵さんには甘えるだけの身勝手なタツヤさんですが、自分をひたすら頼って来るような甘え上手の女性とならば意外と良好な結婚生活を送ることができたかもしれません。

 では、佳恵さんはどんな夫婦関係や結婚生活を望んでいたのでしょうか。

 「彼も私もちゃんと働いて、家族みんなで一緒に生活していく形です。彼がいま自宅にいないときでも、どこかで私と子どものことを考えてくれている、と思いたかった。嘘でもいいから、私は一人じゃなくて何かあったときは頼れる人がいるんだ、と思いたかったんです。でも、彼にはそれを望めません。子どもたちが小学生になった今では、ときどき会わせることもありますよ。子どものほうが気を遣ってくれるので彼も楽しいみたいです。子どもたちはちゃんとわかっています。このお父さんは自分たちのことを親身には考えてくれない人なんだ、と。最近、長男は『もうお父さんと会わなくてもいい』なんて言いますから」

 人と人は血のつながりだけで親子になれるわけではないのだと思わされる話ですね。長い別居の末、離婚が成立したのは3年前。いま、佳恵さんはさっぱりとした表情で前だけを見て生活をしています。その明るさが佳恵さんの「美人度」を上げているのでしょうか。昨年、結婚相談所に登録をすると一回り年上の素敵な男性と出会いました。続きはまた明日。