こんにちは。ライターの大宮です。シングルマザーのグラフィックデザイナーである西川佳恵さん(仮名、42歳)の結婚と生活を聞いています。

 22歳で上京した佳恵さんが恋に落ちた相手は前夫のタツヤさん。ちょっとだけ付き合って別れてまた戻り、長男を妊娠して結婚したのが29歳のときです。タツヤさんには「夫として父として家族を支える」という意識は生まれず、仕事と子育てに奮闘する佳恵さんからお金を借りて夜の街で遊び歩いていました。

 呆れた佳恵さんが子どもたちを連れて別居してもタツヤさんの生活は改まりません。それでも「母性本能が強い」佳恵さんは遊び人のタツヤさんのことが好きで、5年間の別居中に次男を妊娠し出産します。タツヤさんが良き夫に変身することはありませんでした。

 ようやく離婚したのが3年前。父親の死をきっかけにして登録した結婚相談所でひとりの男性と出会います。一回り年上のアツユキさん(仮名)です。ある中小企業のオーナー経営者で、2年前に死別した最愛の妻との間に20代の子どもが2人います。

 「とても幸せな夫婦生活だったみたいです。私と会ったときには奥さんが亡くなったショックをひきずっていました。奥さんがよくジーンズをはいていたからといって私にもジーンズをはくことをすすめてきたり、自分がいかに奥さんを愛していて幸せだったかを話ながら泣き出したり……。友だちなら聞いてあげられるけれど、恋人の立場としては辛かったです」

「職業は何でもいい。人として成長し続けたい」と淡々と語る佳恵さん

 タツヤさんとは180度ぐらい異なるタイプの男性ですね。しかし、時間が経つにつれてタツヤさんの悲しみは和らぎ、少しずつ前を向けるようになってきているそうです。

 佳恵さんが何より嬉しかったのは、息子たちがアツユキさんになついたこと。仕事帰りに彼が佳恵さんの家に立ち寄ると、特に長男がペッタリとくっついて離れようとしません。

 「常に子どもたちの真ん中にいた私が、彼と子どもたちが遊ぶ姿を客観的に見ることができるんです。これって幸せな家庭の絵だな、それが我が家にあるんだ!と驚いています。もしかすると私も幸せな家庭の一員になれるかもしれません」

 前妻との幸せすぎる思い出から抜け出せなかったアツユキさんも今では落ち着きを取り戻し、前を向けるようになっています。ただし、佳恵さんは急いで結婚しようとは思っていません。

 「私たちはこの年齢なので、それぞれの歴史と事情がありますよね。すぐに結婚はできなくても一緒に暮らしたいと思っています。お互いが安心できる関係になりたいのです」

 男性関係についてはかつてより一歩も二歩も成長している佳恵さん。20年以上前に父親の反対を振り切って短大に進学したときから、自分の意思と努力で我が道を切り拓いて来たのです。だからこそ、自分と同じぐらいちゃんと働く男性と一緒に子どもたちを育てていきたいと思い至ったのでしょう。

 長男の出産前は売れっ子のデザイナーとして活躍していた佳恵さんですが、現在はかつての半分以下の仕事量になっているそうです。同じく出版業界でフリーランサーとして働く僕としては他人事ではまったくありません。佳恵さん、現状と今後をどのように考えていますか。