血を吸う蚊は好みの血液型がある?

 私の経験からも、同じ場所に同じように座っていても、「蚊にたくさん刺される人」と「ほとんど刺されない人」が確かにいます。その違いについて、よく話題になりませんか。

 「O型の人は刺されやすい?」といったことを聞かれることもありますが、それが正しいとも、間違っているとも一概にはいえません。どういう状況で、どのように調べたかによって、結果が異なってくるためです。

 例えば、血液型による違いがあったとしても、年齢や性別といった違った要素も入ってくると、どの要素を蚊が重視しているか分かりません。血液型によって蚊を誘引する力が違うという論文が発表されたこともありますが、その後、分析方法に誤りがあったと訂正する論文も出されています。

よく刺されるのは、「肌が若い証拠」かも

大人より新陳代謝が活発な子どもは、蚊が近寄ってくるサインが皮膚から放出されているようです(©ankomando-123rf)

 一ついえるのは、大人よりも子どもの方が刺されやすいということです。公園でお母さんたちが立ち話をしている間に、子どもが蚊にさされてしまったという話はよく聞きます。子どもは新陳代謝が活発で、汗をかき、体温が高いなど、蚊が感知しやすいサインが皮膚から多く出ていると考えられます。

 血管が皮膚の表面に近い部位も、蚊が血を吸いやすいため、刺されやすいといえます。

 余談ですが、私はこれまでの調査経験から、男性よりも女性の方が刺されやすいと考えています。一方、逆だという人もいて、性別による違いも一概にはいえません。ただ、女性でよく蚊に刺される人には、半分冗談で「肌が若い証拠」だと話します(笑)。

黒い服に寄ってくるのはヒトスジシマカ

 「黒っぽい服を着ていると刺されやすい」というのもよく聞きますが、これはヒトスジシマカにいえることです。昼間に活動するヒトスジシマカは、視覚のセンサーを使っていて、黒っぽい色に近づいていきます。

【日本にいる人を刺す蚊-1-】昼間に待ち伏せて刺すヒトスジシマカ
(資料提供:国立感染症研究所)

 ヒトスジシマカは、北海道を除く、本州、四国、九州、沖縄の都市から農村まで広く分布しています。人間以外にも、ネコやイヌなどのペット、ネズミ、野鳥、カメなどいろいろな動物の血を吸います。成虫は5月の大型連休の頃から姿を現し、最も多くなるのは8月です。その後11月頃まで飛来し、卵で冬を越します。

 早朝から夕方にかけて活発に活動する「昼行性」で、庭先や公園などの植物の茂みや葉の裏に潜み、人や動物が通りかかると刺しにきます。いわば「待ち伏せ型」です。ある程度の時間が経っても人や動物が現れないときは、別の場所へ移動します。その間に偶然通りかかってしまうと、刺されることになります。