社長や役員といった会社の上層部、政治家や弁護士、大学教授や学者、芸術家、医師などに付いて庶務を担当する職務、秘書職。あらゆる業務を担い、重要なポジションにいる上司をサポートする縁の下の力持ちであり、多くの人が憧れる職業でもあります。そこで、現役秘書さんたちに、そもそも秘書になったきっかけや、秘書職ならではの印象に残ったエピソードを聞きました。

【調査概要】
◎ぐるなび運営「こちら秘書室」調べ
◎調査対象:「こちら秘書室」会員(有効回答数233件)
◎調査期間:2017年12月11日(月)~12月18日(月)

「これがあるから、私、秘書を続けられています!」 (C)PIXTA
「これがあるから、私、秘書を続けられています!」 (C)PIXTA

 まず、秘書になったきっかけについて問いました。自分から希望して秘書になったり、憧れの職業として目指したりした人は、意外にも全体の36%でした。それに対して、社命や異動、引き抜き、人からの勧めや成り行き上で秘書になった人は64%という結果に。最初から自ら秘書を志したという積極的理由よりも、自分の意思によるものではない理由のほうが多数派でした。

あなたが秘書になったきっかけは?【n=233】
あなたが秘書になったきっかけは?【n=233】
秘書になったのは、社命や異動、成り行きと回答した人のほうが多い結果に

社命や成り行きでも「秘書が天職に」

 社命や異動、成り行きで秘書職に就いた人は6割以上という結果となりましたが、これをきっかけに秘書スキルを極めて、長期にわたって秘書職を続けている人が多いようです。

希望したわけではありませんでしたが、配属された部門で秘書業務を担うことになりました。それならば秘書職を極めたいと思うようになり、自身のスキルアップを目指すため、秘書検定やCBS(国際秘書検定)を取得しました。(40代女性、秘書歴4年、製造、社長・事業部長を担当)

入社して1年半、支店の事務を担当しこれから独り立ち……というタイミングで本店秘書室への辞令が出ました。以来4年以上、役員秘書をしています。(20代女性、秘書歴4年、金融・証券・保険、常務取締役を担当)

営業アシスタントをしていたときに「君は秘書に向いている」と上司から言われて転向。業務内容を詳しく知るうちに奥深さに興味を持ちました。(30代女性、秘書歴10年、不動産、社長・取締役を担当)

営業事務や財務・総務などの管理部門など、多様な職種を経験しました。エージェントからこれまでの経験を生かせる秘書職を提案されて、転職しました。(30代女性、秘書歴1年、製造、常務取締役・専務取締役・取締役を担当)

会社の規模が大きくなるにつれて、社長が自分の事務作業まで手が回らなくなり、それを少しずつサポートしていった結果、秘書業務が自分のメイン業務になっていました。(30代女性、秘書歴4年、情報通信・IT、社長・取締役を担当)

SEから営業となり、総務部に異動になったときには派遣で秘書をされている人の後任に、と秘書職就任を提案されました。特に取りえがあったわけではなく、ただ真面目に勤めてきた成果なのかなと思っています。(40代女性、秘書歴6年、運輸、常務取締役を担当)

もともと全国を行き来する営業職をしていて、各種手配などが得意でした。社内に秘書がいなかったことからなし崩し的に……。(40代男性、秘書歴8年、建設、社長・取締役・執行部・本部長クラス、事業部長、部長クラス、グループを担当)