間接的にほめられると、素直に喜びやすい!

 読者の方のエピソードで多かったのが、「自分がほめられていることを第三者から聞いて、うれしかった」という声。直接言われると謙遜してしまいがちですが、間接的に聞くと、素直に受け取りやすいようです。

 また、直接言われると「お世辞かな?」と思ってしまうこともありますが、第三者から聞くと、真実味がグッと増します。そのため、自分が誰かをほめるときには、「その場にいない人」のことをほめるのもオススメです。

◆上司が私のいないところで、私のことをほめてくれていました。後輩がそれを教えてくれて、うれしかったです。(47歳、医療福祉関連、一般事務)

◆「部長が私をほめている」と、周りの人から聞かされた時はうれしかった!(28歳、医療福祉関連、専門職)

◆取引先の方が、「あの子は伸びる・できる」と、私の上司に言ってくださっていました。それを聞いて、とてもうれしかったです。(28歳、製造、マーケティング)

普段の仕事ぶりや、プロセスをほめられるとやる気がアップ

 次に紹介する話は、普段の何気ない仕事ぶりや、結果に至るまでのプロセスをほめてもらえたというエピソード。仕事では成果が重視されがちですが、だからこそ普段の地道な努力を認めてもらえると、モチベーションもアップします。

 また、連載3回目の「『ほめ』が『お世辞』になってない? 信頼を築くほめ方」でもお伝えしましたが、プロセスをほめることは、失敗した人にも有効な方法。落ち込んだ状態からの回復を早くする効果もあるので、後輩や部下を育てる立場の人は参考にしてみてください。

◆自分なりに計画を立てて仕事を進めていると、上司から「仕事が早い。効率的で無駄がない」とほめられました。自分では当たり前にやっていたことなので驚きましたが、とてもうれしかったです。それからは、「仕事に行きたくない」と思うことがなくなりました。(25歳、生活関連サービス、人事)

◆前の部署では、どんなに頑張ってもほめられることがなかったのですが、今の部署ではささいなことでもほめてもらえます。売上が少額でも、過程や取り組みをほめてもらえるので、うれしいです。(33歳、情報通信、営業)

読者のテクニックを公開、「ほめ文化」を広めよう!

 最後は、「ほめ上手」な人のテクニックを紹介。読者の方が実践している技をマネして、「ほめ文化」をどんどん広めていきましょう。

◆複数人のメールでは、「○○さんのご協力のもと××することができました」「○○さんが××をしてくださったおかげで、△△できました」というような一文を入れるようにしています。そうすれば、陰ながら協力してくださった方の働きぶりを、いろいろな人に伝えられるからです。(32歳、娯楽、専門職)

◆チームで一つの資料を時間をかけて作った後に、上司から「資料作成お疲れさま」という内容のメールが届きました。そのため、「○○さん(上司のこと)もお忙しい中、お疲れさまでした」と返信したら、「そんなことを言ってくれたのは△△さん(私のこと)だけだ」と、とても感動していました。(38歳、卸売・流通、一般事務)

◆仕事の成果について話をするときには、部下のいいところを見つけて伝えるようにしています。注意をしなければいけない場合は、まずはよかった点を指摘。そして「○○がよかった。××については、△△の部分を▽▽のように改善できると、次につながるね」というように、注意点を具体的に示すようにしています。(39歳、サービス、マーケティング・専門職)

◆女性が多い職場なので、髪型が変わったときや、いつもとは違う雰囲気のファッションやメイクで出勤してきたときには、すぐにほめるようにしています。それで嫌な顔をされたことはないので、やっぱり変化に気付いてもらえると、みんなうれしいんだな……と思いました。(41歳、サービス、営業)

 ほめることは、誰かのちょっとした「いいところ」を見つけて、相手に伝えることです。ポジティブな面に目を向け続けていれば、職場の人たちともさらに良好なコミュニケーションを築けるはず。楽しく明るい毎日を過ごせるように、まずは相手の目を見て「ありがとうございます」と伝えることから始めてみましょう。きっと、よりよい毎日が待っています!

 それでは最後に、私からも感謝を込めて。この連載をお読みいただき、本当にありがとうございました!

たくさんの悩みやエピソードもありがとうございました (C)PIXTA
たくさんの悩みやエピソードもありがとうございました (C)PIXTA

聞き手・文/青野梢 イラスト/北村みなみ 写真/PIXTA