学生たちの“No Ban No Wall”
トランプ大統領によるこの新たな大統領令が署名された夜、ハーバード大学周辺では、学生や住民たちによる集会が行われた。イスラム教徒の学生、メキシコの学生、移民の学生はじめ、彼らをサポートする大勢の人たちが集まり、“No Ban No Wall”と、トランプ政権が進める入国規制や壁建設に反対の声を挙げた。
その集会を主催したエジプト系アメリカ人の同級生の言葉が忘れられない。
「民主主義制度の中で誕生したトランプ大統領に、まずはチャンスを与えなければならない。彼がアメリカをいい方向へと導けるようにサポートをしなければいけない。そう思っていた。でもこのような差別はあんまりだ。Silence is Violence」
黙って様子を見守ることは、暴力に加担することになるとして、彼女は集会を企画したのだった。その2日後、彼女が企画したボストン市の集会には数千人もの参加者が集まり、国や宗教の差別に反対の声を挙げた。
文・写真/大倉瑶子