社会を動かすのは、一人ひとりの小さなロールモデル

 「子どもの頃はお母さんが両立に奮闘していることに、感謝の気持ちはなかった。学校ではいつも、親の迎えを待っている最後の一人。仕事が大事なお母さんに嫌味を言うことも度々あった。

 それでも、宿題を手伝ってくれたのはお母さん。社会に出て、仕事で壁にぶつかったときにアドバイスをくれたのは、お母さん。大学院に出願するタイミングや意義について教えてくれたのは、お母さん。そして、今後のキャリアの相談をするのも、お母さん。なぜなら、お母さん自身が全部経験をして乗り越えてきているから。母親としても、一人の女性としても尊敬している」

エミリー(右)にとってお母さん(左)は、頼もしい相談相手。

 日本では第一子の出産を機に、働く女性の約6割が退職をする。仕事を何らかの形で続けたかったけれど、諦めざるをえなかった人はどれほどいるのだろう。

 「結婚、出産―。私たちの世代一人ひとりの生き方の蓄積が、社会を変える。誰だって、まずは自分の周りを見て希望を持つ。もしくは絶望する。だから、周りの大切な人にとって良きロール・モデルになれるよう頑張ろうね」。エミリーは明るく私に語った。

 勇気をもらうはずの言葉だが、自分にはそこまでの自覚と覚悟があるのか分からず、少し情けない気持ちになった。

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変更履歴:本文表記を一部変更しました(2016年2月9日)