ハーバードで悩みを相談するとアドバイスが十人十色

 大学院2年目の秋学期も半ばに差しかかり、卒業後どういう仕事をするか、考え始める季節になった。私の場合、アメリカで今学んでいることを、日本でどのように適用すれば有効なのか、悩んでいる。日本にいるときも人には恵まれていたものの、自分の周りには似たような考え方を持つ人が多く、なかなか新たな考え方や問題のとらえ方を見い出せないことが多かった。一生懸命みんなで助け合い、考えるものの、どこか停滞してしまうような状況だ。

 その一方で、漠然とした不安や思いを持ったときに相談できる人の多さにも驚いている。ハーバードでは色々な業界、国の学生や教授がいるからこそ、壁にぶつかったときに、十人十色のアドバイスを受けることができる。行き詰まったときに、どうすればいいのか考え抜くために必要なのは、多様な視点だと痛感している。

 そんな中、ボストンに日本から来ていた女性4人に出会った。

JWLI (日本女性リーダー育成支援事業)プログラムに参加した4人の日本人女性

 彼女たちは、10年目となるJWLI(日本女性リーダー育成支援事業)プログラムの参加者だった。このプログラムは、「日本社会に良い社会変革をもたらす活動を実践する女性リーダーの育成」を目的にしたもので、米国ボストンに4週間滞在し、企業・NPO訪問を行うほか、アメリカ人女性とともにリーダーシップ講座を受けるという内容だ。

違う世界で生きる人たちが悩みを共有すると勇気が生まれる

 参加者の4人は自治体、民間企業、NPOとそれぞれ経歴はバラバラだ。だが、プログラムで印象に残ったことを聞くとみなこう答えた。

 「違った世界で生きる者同士が、悩みを共有することで生まれる勇気」だと。

 大阪市男女共同参画のまち創生協会の岸上真巳さんはこう話す。

 「“職場で子どもの話はあえてしないようにしている”など、他人からどう見られるか、どう振る舞うべきかについて、アメリカであろうが日本であろうが、みんな悩んでいる。国は違えど、同じ時代に生きて、似たような課題を抱えているのだなと感じると共に、学びその課題を乗り越えるための知恵を互いに共有できたらいいなと思った」

 また、外資民間企業で働く沢登理永さんも、日米に同様の課題があることに驚いたという。

 「アメリカでは意見を主張することが社会的に許されているという印象を持っていたものの、女性に関しては日本と変わらないジレンマを抱えていて、これまでの歴史の中で一つずつ努力して地位向上を勝ち取ってきたのだとあらためて気付くことができた。リーダーシップの発揮の仕方については、日米同様に改善余地が多くあり、帰国しても意識的に自分から変わっていきたいと感じた」