米タイム誌の「今年の人」にトランプ氏

 米タイム誌は年末恒例の「今年の人」にトランプ氏を選び、表紙にはアメリカ合衆国ならぬ「アメリカ分断衆国(The Divided States of America)」の大統領と飾ったが、その溝の深さを象徴する舌戦だった。

 このシンポジウムの最後に、ハーバード・ケネディ・スクールでCNNの看板番組の収録が行われ、両陣営の選対本部長が出演した。その中で、なぜ世論調査も結果予測もクリントン氏優勢とされていたのかについて、話が進んだ。すると、トランプ陣営のコンウェイ氏は、2つのポイントを指摘した。

CNNの収録の様子。ハーバードの食堂がスタジオへ様変わり

 「まず、今回の選挙の投票行動は、前回(2012年)の選挙の投票行動を想定したため、結果を見誤った。つまり、オバマ大統領を支持した有色人種や若者は、クリントン氏に票を投じると予測していたの。それに、初めての女性候補だからと、女性の投票者数も少し多めに見ていたかもしれない。

 さらに、これまで民主党に投票していた人たちが、クリントン氏に投票することを想定していた。私は、選挙活動の最初の方から“隠れトランプ支持者”について言及したわ。このような人たちは、本当にいたのよ。“隠れトランプ支持者”とは、トランプ氏に投票することを隠している人ではなく、彼を支持するように見えない人たちよ。労働組合員として長年民主党に投じてきた人たちやシングル・マザーなど、トランプ氏に投票することが考えられないような人たちが、彼に票を入れたの」

 そして、コンウェイ氏が言い放った言葉が今でも印象に残っているー。

“America said that there's a difference between what may offend me and what absolutely affects me. And I, as a voter, am going to go that way.”

 差別的発言を繰り返してきたトランプ氏への批判は多い。しかしコンウェイ氏は、選挙結果について、アメリカ国民は、気分を害される事柄と、自らが絶対的に影響を受ける事柄には差があり、一有権者としては後者を優先した、と説明したのだった。

文・写真/大倉瑶子

 
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