根深い社会観や女性像が女性自身にも染みついている

 「日本は少子高齢化が世界一の速さで進んでいる。人口の半分以上は女性が占めていて、女性の社会進出に、社会全体としても頼らなければいけない状況だ。でも、進出しろと言っても、社会の支える環境が整っていない上に、あまりに根深い社会観や女性像が女性自身にも染みついていることが、働く女性たちを余計に苦しめているように思う。

 女性の社会進出は世界的に起こっていることだけど、特に日本ではそれに伴った女性像の変化が今まであまり見られてこなかったと思う。夫婦ともに健康で幸せであることが一番大事で、男性だけでなく、女性に求められる女性像にもとらわれる必要はないと考えるようになった。今は家事は夫と半分ずつ分担していて、食事も互いに時間があるほうが作っている」

頑張っているって言いたいのに

ハーバード公衆衛生大学院の卒業式にて
ハーバード公衆衛生大学院の卒業式にて

 主婦であろうと、キャリアにまい進しようと、自分たちが頑張っていることを頑張っていると言える、そんな世の中になったらいいのにね、と私たちはその夜、二人で話した。

 合コンにいくと、女性が自分のキャリアを隠すことは、多くの働く女性が経験していることだと思う。努力して頑張ってやっている仕事のはずなのに、男性なら胸を張って言えることなのに、隠さないといけないと思ってしまう。

 毎日仕事が大変で本当に忙しくても、「そんなに働いていない、楽しいよ」と言う。男性だったら、多忙な日々が立派と思われるのに対して、女性の場合、バリキャリで怖いとラベリングされてしまうのが悲しいからだ。