仕事でもプライベートでも、発信力を高めることができれば、やりたいことができる環境が整う時代。せっかくの実力が発信力の弱さで埋もれぬよう、プレゼンノウハウに詳しい池田千恵さんが指南していく連載です。

人に聞かれることで自分の考えがまとまる

(C) PIXTA
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 職業柄、ビジネス誌、生活情報誌、女性誌などさまざまな媒体からインタビューを受ける機会があります。テーマは働き方改革、女性活躍推進、時間管理、朝活、プレゼンと多岐にわたりますが、質問に返答するとき「あ、私ってこんなことを普段考えていたんだな」と、話しながらあらためて気づくことも多く、思考の整理もできるため、インタビューを受けるのは楽しみな仕事のひとつです。

 書いて考えをまとめるのに比べ、話しながら考えを伝えることは、事前準備があまりできない分そのときのナマの考えや、自分でさえも気づいていなかった本音が浮かぶものです。インタビューして下さる方に新しい自分を引き出してもらっているような感覚になります。

 自分にとっては普通で、特に自慢気に伝えるようなものでもない習慣を何気なく話した時、相手にとっては「へえー! そんなことするんですか!」という驚きや感嘆がこもった反応として返ってきたり、「もっと詳しく聞かせてください!」と言われたりすることもあります。そんなときは具体的な手順を思い出しながら話すことで、普段無意識にやっている行動が、実は読者にとって興味があることなんだな、と気づかせてもらうことも多いのです。