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 会議や講演会に参加したあと、印象に残ったことやこれから仕事に活かすべきことを思い出そうとしても、なかなか思い出せないことがあります。聞いていたときは確かに「なるほど」と思ったはずなのに、他の人に内容を話そうとしたとき「面白かったよ」としか言えずに、もどかしい思いをした方も多いのではないでしょうか。

 そんなときは自分の記憶力のなさや要約力のなさを嘆いてしまいそうになりますが、実は、思い出せないのはあなたのせいではなく、相手のせいかもしれません。感動した講演会や実のある会議の後は、何に心が動いたか、今後何をすべきかが明確になっているので一言で言えるもの。一言で言えないのであれば、それは発信した相手が「サンクコストの罠」にはまっている可能性があります。

何を盛り込むかよりも、何を捨てるかを意識しよう

 サンクコストとは「埋没費用」のことで、手間や時間をかけた分の費用を回収できなくなるコストのことを言います。「せっかくこれだけの時間をかけたのだから」という気持ちから冷静な判断を下せなくなるリスクがあるときなどに使う言葉です。つまり、サンクコストの罠とは、「こんなに時間をかけて考えたのだから、どこかで使わないともったいない」と、あれもこれも情報を詰め込み、結局何が言いたいのか分からなくなってしまった状態のことを言います。

 「で、これから何をすればいいの?」と思ってしまう会議や、「おもしろかったけど、結局何だったっけ?」と思ってしまう講演は、発信する側が「サンクコスト」の罠にはまっている場合が多いのです。限られた時間であれもこれも伝えたいという気持ちは分からないでもないですが、詰め込んだせいで、肝心の一番伝えたかったことまで霞んでしまい、「で、結局何が言いたかったんだっけ?」と言われてしまったら、もったいないですよね。あなたが何か発信するときも、情報をてんこ盛りにするのに時間をかけるのではなく、「これだけは伝えたい」というものは何かを考え、それを研ぎ澄ませることに時間をかけるようにしましょう。

「あれもこれも」にならないために気をつけるべき3つのポイント

 とはいえ、手間暇をかけて準備したものを削ぎ落とし、ポイントを際立たせ、メッセージ研ぎ澄ませるのは口で言うほど簡単なことではありません。思い入れが強いほど入れ込みたくなる気持ちもよく分かります。そこで今回は削ぎ落とすために有効な3つのポイントをご紹介します。

1.寝かせていったんクールダウンさせる

2.情報を研ぎ澄ませる「型」を覚える

3.「で、何がいいたいんだっけ?」と自己ツッコミをいれる