発信が怖い人ほど、勢いで地雷を踏む

 コミュニケーションが怖いと感じている方は、「自分の考えが受け入れられないことが怖い」「相手の反応が怖い」という方が多いようです。相手からの反応を得て、よりよい方向に発展させていくことこそがコミュニケーションの本質なので、臨機応変に伝え方を変えることは本来悪くないことです。

 しかしコミュニケーションに苦手意識を持っている人にとって、臨機応変は敵でしかありません。「自分が何を発信するか」に気を取られ過ぎて、自分の発信により相手がどう感じているかまで気が回らないため、とりあえず自分の意見を言い切ってしまおう、と極端な方向に走り、一方的な印象を与えるコミュニケーションを取ってしまいがちです。

 その結果、発信した本人はそのつもりはなくても「押し付けられた」「失礼な人だ」「人の話を聞かない人だ」「自分のことしか考えていない」と思われてしまう残念な場合が多いのです。

表情が見えないメールは特に誤解されやすい

 会話においてのコミュニケーションならまだ、表情などの非言語情報を基に対応を変えることはできますが、文字のコミュニケーションだけでライブ感もないメールでのやり取りには、特に慎重になる必要があります。相手の反応が怖い、会話が苦手という理由から、電話や対面ではなくメールでのやり取りを好む人は、よほど注意しないとかえって相手に反感を買われてしまうことがあるので注意しましょう。

 例えば私が友人から聞いて驚いた例で言うと、某大手企業から友人への講演依頼で次のようなメールが届いたそうです。友人が講演することによる、友人にとってのメリットについて一切記述がなく、次のような内容のメールが来たとのことでした。