今回は「企画の立て方」ということでお話ししたいのですが、その前に皆さんに知っておいていただきたいことがあります。「企画」を考える仕事は限られているというのは誤解です。「企画なんて自分には関係ない」と思われる方は、企画力は、「世の中に無い、特別なものを大発明する力」「クリエーティブな能力を発揮する必要があるもの」だと思っていることが多いようです。

 実は、無から有を生み出すのが企画ではありません。世の中に既にある状況と、「こうだったらいいな」「こうしたほうがいいのに」という希望と不満との距離を測り、「こうだったらいいな」に近づけるためのアイデアを考え、周囲に分かってもらえるように上手に届けることが企画であると、私は定義しています。

 学生時代に仲良しグループで計画した旅行も「企画」ですし、ランチを誰と、どこで、何を食べるかも「企画」です。社会人になってから身に付けている能力でも、何か特別な人の特殊能力でもないのです。「企画を考えよう」と机の前でうんうんうなっていると煮詰まってしまいますが、日々の生活から「企画」は始まっていると思うと気がラクになりませんか?