偉い人ほど偉ぶらない

 仕事柄素晴らしい業績をあげている経営者の方とお目にかかる機会が多いですが、そういう方とお話するたび

 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

 ということわざは本当だな、と感激します。偉い方ほど謙虚で、感謝を忘れない方ばかりです。私もこのことわざのようにありたい、と思いつつ、過去を振り返ると、「あーやっちゃった」という後悔だらけです。

 その一例を今回ご紹介しましょう。初めての本が出版されて、運よくベストセラーと言われるようになった時、まるで私一人の実力でベストセラーになったと勘違いして、今まで支えて下さっていた周囲への感謝を忘れて無礼な行動を繰り返した時期がありました。

 無礼な行動はたくさんあり、今振り返ると顔から火が出るほど恥ずかしく、申し訳ないと思うことばかりです。その一つが、「千恵さんのために」と、今後お世話になりそうな有力者を紹介してくださった方(仮にPさんとします)に、きちんとお礼をしていなかったという反省があります。

 私はその有力者の方と意気投合し、急速に仲良くなっていきました。紹介してくれたPさんよりも、その方と会うことが増えました。しかし、私は紹介していただいたお礼をPさんにきちんとしないままでした。

 その他にも私が思い至らない複合的な要因がいろいろとあったのだと思います。だんだんとPさんにメールをしても、返事が遅く、そっけなくなってきて、最後は絶縁状のようなメールが来ました。Pさんからのメールが最近短いけどどうしたのかな、というくらいしか思っていなかったので、突然の「爆弾メール」があまりにもショックで、心臓がドキドキして苦しくなってきたのですぐにメールを消してしまい、詳細の内容については思い出せませんが、あなたとはもう二度と付き合いたくない、連絡してこないでください、あなたの言う事はウソにウソを塗り固めている、といったような内容でした。