1.予定候補は複数を先に提示する

 誰かと会う約束をした場合、特に自分よりも目上の方と会うときは、相手の日程が最優先で、それに自分の予定を合わせるというのが基本的なマナーだと考える方が多いですが、実はそれがいつも正しいとは限りません。

 「いつでも結構です」と書いてお願いした結果、メールの返信がなかなかなくて困ったことはありませんか? いつでも結構です、と書いた手前、相手がすぐに返事をしてくれなかった場合、新たな他の予定も組めなくなり困りますよね。

 また、日程が決まるまでに3~4回メールを往復させることも多いでしょう。あなたが送ったメールに返信がすぐ来るとは限りません。このようなメール待ちの時間は「調整コスト」としてあなたの時間をじわじわと埋めていきます。

 相手の返事が遅い上に、自分の都合が悪い日時を提示されてしまったときにはたまったものではありません。先方のほうが優先と、他の予定をキャンセルして合わせる、ということを繰り返していると、ストレスがたまりますし、先方が提示した予定にどうしても都合が合わせられない場合「いつでも結構です」と言ったのに断る、感じの悪い人になってしまいます。

 状況にもよりますが、最初に「私の都合がいいのは○時~○時です」もしくは「絶対NGなのは○日と○日です」と、何パターンかを宣言してしまうことをおすすめします。

 実は提示してしまったほうが相手のためになることも多いのです。私も経験があるのですが、いつでもいいです、とオープンで予定を聞かれた場合、自分の手帳とにらめっこして調整する時間を考えるというのは、けっこう面倒なものです。面倒臭いから返事も遅くなり、相手を待たせてしまうということもあるなと考えています。候補をいくつか出してもらって、都合がいい日時を選ぶだけのほうが断然ラクですし、すぐ返事ができるのでお互いハッピーです。

 蛇足ですが、この調整は、相手と「会いましょう」という合意ができてからの話です。関係性が構築されていない、初めての営業メールで候補日を挙げると「なんで会うとも決めてないのに勝手に候補日を挙げてるの? 相手の都合も考えない、なんてずうずうしい人だ」といったように、失礼だと思われるので気を付けましょう。