人はいつも「きっかけ」を探している

 ちなみに、私も雑誌などにインタビューをされたり、新しい出会いがあり自己紹介したりすることがよくありますが、どんな時にも必ず聞かれるのが「なぜ今の仕事をしているのか?」という「きっかけ」です。

 私は企業の朝型勤務導入コンサルティングや、朝の活動を支援する会社を経営しています。その「きっかけ」は、挫折を早起きで乗り越えたという経験です。今思えば大したことではないですが、当時の私には大きな挫折だと感じ、生きるか死ぬかくらいに思い詰めていたことがありました。

●大学受験2度失敗

●就職活動30社撃沈

●新卒2年目のとき、あまりにも仕事ができなすぎて、本来出させてもらえる会議に出させてもらえなかった

 人生において強烈な危機感を感じた時、その隣にはいつも早起きがありました。早起きを一つの切り替えスイッチとして、心を入れ替えて素直に物事に取り組めるようになった結果、辛い環境を覆すことができたという経験から、朝の良さを広める活動を事業として行っています。

 実はこの話はもう何十回、何百回と話しているのですが、どんな場面でも新しく会った人に必ず聞かれるということは、何か発信したり行動したりするときに、周囲は必ず「どうしてあなたがその活動をしているの?」といつも問いを立てながら疑問形で見ているということです。皆「どうして?」を解消してスッキリしたいのだな、と思います。

 相手にいつも「どうして?」と確認しているのが人間の性だとしたら、相手だけでなく、自分自身にもいつも「どうして?」を問いかけているのかもしれません。確かに、私自身も、自分の行動にきちんと理由を付けることができたことにより、自分の中にすっと「軸」のようなものが生まれてスッキリと行動ができるようになりました。