面倒臭いことこそ、朝さっさとやってしまう

 場数を踏むためにはまず、練習する時間をつくる必要があります。慣れないことを始めるのはおっくうなので、つい後まわしにしてしまいがちなので、私がオススメするのは朝の時間にえい! と時間を作ってしまうことです。

 時間は貯金と似ています。給料日に自動引き落としで毎月お金を貯めている人は自然にお金が貯まりますが、給料日の前日に余ったお金を貯金しようとしてもさっぱり貯まりませんよね。

 時間も一緒です。朝起きた時にすぐに自分のための時間をつくらないと、「あれを終わらせたらやろう」「これがまだ残っている」と思っているうちにあっという間に夜中になってしまいます。

 また、夜は「たっぷり時間がある」と思ってのんびりしがちですが、結局長時間も集中力が続くわけではありません。「仕事は、完了するために割り当てられた時間に応じて複雑なものへと膨れあがっていく」という「パーキンソンの法則」を聞いたことがある方も多いでしょう。やるべきことは締め切りが長ければ長くなるほど膨らんでいって、やる必要もないことに時間をかけてしまうことになるのです。

 最近私が出版した『朝の余白で人生を変える』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では普段昼や夜にやっていることを朝に持ってくることで、時間の余裕、心の余裕をつくる方法を書きました。夜ほっとしようと思ってもあれこれ詰まっていて全くほっとしませんが、朝すべきことを終わらせれば、いち早くほっとすることができます。「今日私は1日のはじめを自分のために使った!」という満足感が生まれますし、たとえば始業の朝9時前までにものごとをすすめよう! といったように時間の締め切り意識も身につきます。