女子ラーメンが一大ブームになっている。先ごろ、横浜で開催された「ラーメン女子博」は、初開催の昨年に3万人を動員し、今年は期間と出店数を拡大して開催された。女性の美や健康を意識したラーメン店も増え、メーカー各社からも女性に人気の有名店とのコラボ麺や低カロリー麺、パッケージにもこだわったカップ麺が次々登場。ダイエットの敵・手抜きの食事というイメージを一蹴する、働き女子におすすめのラーメンをご紹介!

罪悪感ゼロ。野菜感満点のベジソバ

 食事の時はいつでも野菜の割合が気になるのが、多くの女性の心理。そんな心理を満足させる、麺、スープ、トッピングと、すべてにおいて野菜感たっぷりのラーメンがある。その名もベジソバ。

「ベジソバ」850円(税込)。トッピングは、蒸しキャベツ、人参、水菜、レンコンチップ、押し麦のバジル和え。一部の野菜は日替り
「ベジソバ」850円(税込)。トッピングは、蒸しキャベツ、人参、水菜、レンコンチップ、押し麦のバジル和え。一部の野菜は日替り

 人参をベースにしたとろみのある塩のスープに、パプリカを混ぜ込んだオレンジ色の平打ち麺、そして、数種類の野菜がたっぷり盛られたその姿はカラフルで、見るからにヘルシー。野菜のダシに人参をグラッセしてからピューレ状にして入れたスープは、甘みも感じられ、パスタのような麺とよく絡み美味しい。丼のフチには、味変アイテム(途中で味の変化を楽しむための調味料)として、柚子胡椒と粒マスタード入りのマッシュポテトが。レンゲにスープを入れて、その中で溶かしながらいただく。味のバリエーションが楽しめるから、最後まで栄養を残さず飲み干せる。

 このラーメンをいただいたのは、東京・平河町にあるソラノイロ本店。「女性が一人でも気軽にラーメンを食べられるお店でありたい」という店のコンセプトは、入りやすい店構えや、カフェのような内装、卓上に置かれたヘアゴムにも表れている。

 ベジソバは、ソラノイロ代表の宮崎氏がホテルの朝食で人参ジュースを飲んだ時に思いついたアイデアだという。「野菜ジュースのようなラーメンができないか」、そんな思いがメニュー誕生のきっかけになったと、本店の塩田剛基副店長が教えてくれた。

 「ラーメンを食べる時の罪悪感がない」「これなら毎日でも食べられる」という、女性の常連客も多いそうだ。ヴィーガン用のメニューもあり。

栄養素の宝庫「ユーグレナ」入りのグリーン麺

 ユーグレナという、昨今注目の自然素材はご存知だろうか。ユーグレナは藻の一種で、ビタミンやミネラル、アミノ酸や不飽和脂肪酸など、59種類もの栄養素を持ち、人間が生きていく上で欠かせない栄養素の大半を含んでいる。特に、ユーグレナ独自の成分である「パラミロン」は、デトックス効果が高く、中性脂肪の排出や、便秘解消が期待されるというから聞き捨てならない。

 そのユーグレナを麺に練りこんだラーメンがあるのだ。

「しおグリーン麺ゆずみつば」950円(税込)。トッピングは、国産豚肩ロース、あべ鶏むね肉コンフィ、みつば、赤玉葱、メンマ、そして柚子
「しおグリーン麺ゆずみつば」950円(税込)。トッピングは、国産豚肩ロース、あべ鶏むね肉コンフィ、みつば、赤玉葱、メンマ、そして柚子

 向かったのは、東京・池袋にある「麺屋 六感堂」。一見、ラーメン屋っぽくない店構えで、女性ひとりでも気軽に入りやすい。ユーグレナを使ったラーメンは、スープ(塩・醤油)やトッピングの違いで数種類あったが、今回は女性客のほとんどが注文するという人気メニュー「しおグリーン麺ゆずみつば」を食べてみた。

 石垣産ユーグレナの入った麺は、翡翠を思わせる薄いグリーンで、コシのある細麺。藻だけに、青臭さや独特の味が感じられるのかと思ったが、それはない。さらに、麺には北海道産小麦が使われ、モチモチ感も。今まで食べたことのない食感と感じる客もいるそうだ。塩味のスープとの相性がよく、さっぱりと美味しくいただける。

 このメニュー考案のきっかけを、オーナーの渡邊直樹さんに教えてもらった。「今では化学調味料を使わない『無化調』の無化調のラーメンは珍しくありません。健康志向でもうひとひねりできないかと考えていたら、ユーグレナの存在を知りました。スープに入れている店はありましたが、麺に使っている店はなかったので、自家製麺というメリットを生かし、練りこんでみたらうまくいきました」

 このラーメンが女性ウケする理由は麺だけではなさそう。添加物や化学調味料が一切使用されていないのをはじめ、魚介の乾物のみでダシをとった透明感のあるスープはカロリーが低め。また、青々と、たっぷり盛られたみつばや、着丼した時の柚子の香りで、五感も楽しませてくれる。

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