婦人科系のがんになっても勇気をもって勤務先に申請を

 働いている女性の皆さんが病気になると、勤務先の総務・人事へ疾病による長期休暇申請などが必要になると思いますが、婦人科系疾患は病名を言いにくいものです。特に卵巣や子宮など婦人科特有のがんは言いづらく、病名を言えずに退職や離職する患者さんが多いと聞きました。

 がんになりたくてなる人はいません。勇気をもって勤務先に申請してください。それは仕事をする人の権利です。婦人科がんの患者会や団体もたくさんあります。また市区町村にもがんに関する相談窓口は増えてきているので、一人で悩まず、わからないことは相談しましょう。がんの治療と仕事を両立は一人ではとても難しいもの。病気になるだけでもダメージは大きいのに、仕事も失うと治療後の生きがいや自分の存在意義をなくすことにもなりかねません。がん羅患者はうつ病になる確率も高いのです。

 4月9日「子宮の日」が私の手術日でした。良性や境界性なら3時間位、悪性なら転移の恐れのあるリンパ節をたくさん取るので7時間以上はかかるかもしれないと言われてた手術。術後、移動のストレッチャーから見えた時刻は、開始から7時間以上が過ぎていました。

 私は悪性のがんだったのです。半々の確率で予想していたこととは言え、ショックでした。2週間入院しましたが、主治医から「腫瘍は綺麗に取れ、リンパ節も40以上取って、もうがんはないから大丈夫。ステージも一番初期の1aだろう」と言われ、安心して帰宅しました。しかし退院2週間後の病理検査結果で、私のがんのステージは腹水にもがん細胞が確認できる1cに上がってしまいました。そして“抗がん剤治療”を勧められたのです。

 もうがん細胞はないのに、予防のための抗がん剤治療。こうなって初めて、自分が置かれている状況に面食らいました。私は、ここまできても卵巣がんのことを何も知らない。主治医に何をどう聞いたらいいかもわからない。しかしその治療方法は、患者である自分が選択しないといけません。