初めてでも大丈夫! 婦人科で生理痛を伝える方法

 定期検診のある歯科や眼科とは違い、婦人科に行く機会は少ないもの。どのように症状を説明すればいいのでしょうか?

 「生理痛があることだけ教えていただければ、ほとんどの医師がいくつかの質問をしてくれます。皆さんは、それに答えるだけで大丈夫ですよ」(山本医師)

 医師に聞かれるのは「10段階で言うとどれくらいの痛みか」「いつごろ痛むか」「どれくらいの期間痛むか」「どのあたりが痛むか」「どのような痛みか」など。ズキッとする、ガンガンする、ズンとする、というように擬態語を使って症状を伝えましょう。

 また山本医師によると、医療機関を受診するともう一つメリットがあるそうです。

 「医療機関では、ドラッグストアなどで市販されていない低用量ピルを処方することも可能です。日本では『ピル=避妊薬』というイメージが強いですが、生理痛の軽減や、生理前のイライラの解消、排卵が止まることによる卵子の温存などの効果が期待できる薬なんですよ。カナダで43.7%、フランスでは36.6%、米国では13.5%の女性がピルを服用しています」(山本医師)

国別の、低用量ピルの使用率のグラフ。いちばん右が日本。 提供/山本佳奈
国別の、低用量ピルの使用率のグラフ。いちばん右が日本。 提供/山本佳奈

 日本では避妊薬というイメージが先行し、使用率が約1%にとどまっている低用量ピル。実は、ホルモンバランスを整えることで生理に関する症状を改善する「女性の味方」とも言える薬です。また、服用をやめれば子宮や胎児に影響を与えることなく妊娠できるという研究結果が出ているとのこと。最近は、生理痛の改善に最も効果的だと話す女性医師も増えています。

 後編では、ピルによる卵子の温存や、服用の注意点、女性が陥りがちな貧血・ダイエットと生理の関連性について、詳しくご紹介します。

■後編は12月18日の公開予定です

生理痛は体からのSOSかも。鎮痛剤を飲む前に婦人科へ行きましょう (C)PIXTA
生理痛は体からのSOSかも。鎮痛剤を飲む前に婦人科へ行きましょう (C)PIXTA
プロフィール
山本佳奈
山本佳奈(やまもと・かな)
医師。1989年生まれ。滋賀県出身。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策』(光文社新書)がある。

聞き手・文/華井由利奈 写真/PIXTA