(2)思想及び信条(人生観、生活信条、支持政党、購読新聞・雑誌、愛読書 など)

 例えば…

「あなたの支持する政党は何ですか?」
 これも上記質問と同様で、応募者の思想・信条の自由を侵害する行為であり、採用面接の場で質問することは認められないでしょう。

「あなたは神や仏を信じますか? あなたの宗教は何ですか?」
 どのような宗教を信じるか・信じないかは、信教の自由として憲法上保障されている人権です。よって、このような質問は応募者の信教の自由を侵害する行為として、採用面接の場で質問することは認められないでしょう。

(3)労働組合への加入状況(労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報など)

 例えば…

「学生運動をどう思いますか?」
 どのような政治上の信条を持つかは、思想・信条の自由として憲法上保障されている人権です。学生運動をどう思うかとの質問はこの思想・信条の自由を侵害する行為にあたり、採用面接で質問することは認められないでしょう。

 ポイントを3点あげましたが、要するに、その質問に合理的な理由や職務と関係があるかどうかが重要となります。たとえば外見の善し悪しが求められるような芸能等の仕事だと、スリーサイズを聞く事は職務に関係することなので、聞く事に問題はありません。しかし、一般職の人にスリーサイズについて質問することに合理的関連性はないですし、個人の外見で社会的差別をしている事となるので認められないでしょう。

 面接官も、面接という雰囲気からくる緊張感を少しでも和らげたいということで、話のしやすい身近な話題を話題にすることがあります。しかし、差別などの意図がなかったとしても実は差別的な質問であることは多いので、この記事を読まれている方が面接官の方なら、注意を払って質問するようにしてくださいね。

この人に聞きました
岩沙好幸
弁護士(東京弁護士会所属)
岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残 業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼い始めた。労働トラブルを解説した書籍『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)が発売中。『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。

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