今年のハロウィンまで残すところ半月ほど。この一大行事に向けて、家の飾りつけをしたり、子供たちを迎えるためにお菓子を大量に購入したり、仮装グッズを仕入れたりと、アメリカ人は大忙しだ。

 そんなハロウィングッズが集まるパーティーグッズ専門店に入ると、ひときわ目立つところに見つけたのが、大統領選挙関連のハロウィングッズだった。こちらも国民的行事なのだから、こうしたグッズが出るのも当然なのだが、日本人からすると、総理大臣候補の政治家がマスクになって売られていると考えたら、とても異様な光景だ。

ジャケットや国旗など、星条旗カラーでにぎやかな売り場
ジャケットや国旗など、星条旗カラーでにぎやかな売り場

 しかし、調べてみると、こうした大統領関連グッズは米国で数多く販売されていて、候補者を応援するようなものや、逆に批判したり、揶揄しているものなど、ごく真面目なものから、くだらないものまで、数多く見られた。

 公開討論会などを通し、両者の政策を真剣に吟味する一方、こうしたグッズでお祭り騒ぎを楽しんでしまおうとするのは、まさにアメリカ人らしいユーモアのセンスが伺える。今回は、こうした面白グッズをご紹介していきます。

 文房具や本、サニタリーやパーティーグッズなど、日常生活で使うものでありながら、一人で楽しむというよりも、友人との話のネタに使えるものが圧倒的に多かった。

 たとえば、文房具でいえば、プッシュすると、各候補の本物の声が流れるというボールペンがある。トランプペンでは、「神が作られた中で、最も偉大な大統領に私はなる!」や、有名な暴言「メキシコとの国境に巨大な壁を作って、その費用を彼らに払わせる!」など、8つの代表的なセリフが収録されている。一方、ヒラリーペンでは、笑い声が7秒収録されている。その発言で話題性を欠かないトランプと、ワシントンの重鎮で自信満々のヒラリーを象徴するグッズだ。

パッケージもさることながら、ペンの頭につけられた両候補の巨大な顔が印象的
パッケージもさることながら、ペンの頭につけられた両候補の巨大な顔が印象的
パッケージもさることながら、ペンの頭につけられた両候補の巨大な顔が印象的

 また、ぬり絵も面白い。こちらは、両者の特徴を滑稽に表現したシーンが満載で、トランプでは、表紙がニューヨークに君臨するスーパーマン姿、中には、北朝鮮の金正恩とゲームに興じる姿や、アメリカを代表する4人の大統領に並んでトランプの顔が刻まれたマウントラッシュモアなど、目立ちたがり屋で虚栄心の強い彼の特徴がよく表されている。一方、ヒラリーでは、水着姿の小学生ヒラリーが表彰台の1位に座っていたり、今の政治活動にも通じる経験したというガールスカウト時代のヒラリーの姿など、幼いころから優秀であり続けた彼女をちょっと皮肉交じりにも表現している。

もちろん塗り絵を楽しむのは大人。子供には、あまり見せたくない
もちろん塗り絵を楽しむのは大人。子供には、あまり見せたくない
もちろん塗り絵を楽しむのは大人。子供には、あまり見せたくない

 これに加え、着せ替え人形も滑稽だ。トランプの方は、彼が卒業したウォートンのキャップとガウンや、話題のミスユニバースのガウン、スーパーマン風トランプマンのコスチュームなど、様々な姿に扮装させられる。ヒラリーの方は、主婦やファーストレディ、ワンダーウーマン風ヒラリーウーマンのコスチュームなどが楽しめる。

実際には、絶対に見ることができなそうな両候補のコスプレ姿が楽しめる
実際には、絶対に見ることができなそうな両候補のコスプレ姿が楽しめる
実際には、絶対に見ることができなそうな両候補のコスプレ姿が楽しめる