アメリカで、選挙前になると、決まって見ることができるお馴染みの光景がある。それは、個人宅の庭先や玄関先に立てられる、候補者の看板(ヤードサイン)だ。もちろん、この看板は、候補者や選挙管理委員会が立てているわけではなく、その家の住人が自らの意志で立てている。また、自宅前の看板だけでなく、車の後部バンパーにも候補者の名前のステッカーをしっかりと張りつけ、後続車にアピールしてくる人がいるのだから、徹底している。

日本の選挙ポスターとは違い、写真はなく、名前だけのすっきりとしたデザイン

 日本人からすると、「なぜ、わざわざ自分の支持する候補者を公表するの?」と不思議に感じる光景だが、これは、今回の大統領選挙に限ったことではなく、州や郡など、どのレベルの選挙でも行われる一般的な行為だ。

 この看板やステッカーを掲げる理由について、アメリカ人に聞いてみると、「アメリカ人は、スポーツ好きだから、スポーツの応援みたいな感覚なんじゃないかしら」「自分の意見をしっかりと示すのは重要だから、こうした行為も当然!」「こういうことをすると、選挙に参加している感覚が持てる」など、様々な意見があった。

 どの意見も、聞いてみれば、うなずける。前回の大統領選でも、カリスマ的な人気を集めたオバマ氏に対し、対立候補のロムニー氏も共和党支持者からの安定した支持を集め、掲げられる看板やステッカーも、それほど偏りがなかった。民主党、共和党ともに支持者数が拮抗している、ここオハイオ州においては、違和感のない光景だった。