ところが、今回の大統領選ばかりは、少し勝手が違うようだ。というのも、掲げられている候補者の名前を見ると、圧倒的にトランプ氏のものが目立つからだ。支持率の推移をみていると、クリントン氏がやや優勢なのだから、逆であってもおかしくない状況なのだが、なぜこんなことが起こっているのだろうか。

 それは、過激な言動や過去のスキャンダルがありながら、一部の層から圧倒的な支持を集めるトランプ氏に対し、彼を支持しない層に強く訴えるだけの人気を集められないクリントン氏がいる。今回の選挙に限っては、積極的支持ではなく“消極的支持”、つまり、トランプ氏を当選させたくないから、クリントン氏に投票するという人も少なくないことから、クリントン氏の支持を訴える看板やステッカーが少ないことがうかがえる。

 一方、トランプ氏の看板は、過激だ。自宅前に掲げる看板は、一般的に30×50cmほどの大きさが多いが、郊外に出かけてみると、畑に横幅2mほどあるのではないかというほどの、でかでかとした旗を出している人もいる。まるで、広告でも打っているかのようにも見え、異様だ。

畑にでかでかと掲げられた看板。これだけ大きな看板を掲げるのだから、支持者の熱狂が伝わってくる
畑にでかでかと掲げられた看板。これだけ大きな看板を掲げるのだから、支持者の熱狂が伝わってくる