3人とも時間通りにお店に到着。川口くんが料理を注文してくれて、ビールで乾杯しました。森本さんはエキゾチックな柄の黒ワンピースに金のイヤリング。華やかなパーティに参加できそうなスタイルです。一方の川口くんは質素なスーツ姿。ちょっとギャップがありますが、なんとか共通点を見つけましょう。

 しかし、食べ物の好き嫌いを言い合うぐらいで場がなかなか温まりません。森本さんも川口くんも僕のほうを向いて話す時間が長い気がしました。これはマズイ。森本さんが川口くんを微笑ましく思っていることを改めて話題にして、僕はさっさと退散しました。あとはよろしく!

 結果としては不調に終わりました。川口くんから感想を聞く前に、森本さんのほうから以下のようなメールが送られてきたのです。

<閉店時間まで楽しくおしゃべりしましたが、途中で省庁のパンフレットも登場しました(笑)。これがデートだとすると最もシュールなデートだったと思います。ある意味お互い隙がなさ過ぎて、お互いに異性に興味があるのかすら不明、という感じです。とても性格が良い川口さんとの時間は楽しかったのですが、男の人といるという気分にはまったくなりませんでした。私だけでなくて、川口さんも同じように感じたのではないでしょうか>

 うーん、それは残念です。最初は「お互いに異性としての魅力を感じない」としても、人として好きになれそうであれば、少しずつ歩み寄っていくこともできると思うのですが……。やっぱり無理かな。また別の人をご紹介しますね。ナイスチャレンジということで次に行きましょう!

イラスト/つぼいひろき