退職時に気をつけたいこと

 会社を辞めるとき、自分の使っていたPCの不要なデータは削除しておきます。業務で今後も利用するデータや資料は、誰が見てもわかるように整理しておきましょう。また、自分の名刺はシュレッダーにかけ処分し、仕事上でいただいた顧客からの名刺は会社に置いていきます。

 なお、退職日の翌日以降、保険証は利用できませんので、会社に返却してください。IDカードや社員証など、会社から貸与されていたものは、漏れなく返すようにしましょう。

 退職について社内の関係者に報告するのは、退職日が正式に決まってから。辞める10日~1週間程度前にメールなどでお知らせするのがよいでしょう。

 お客様や取引先と懇意にしていた場合には、挨拶状などの書面でご案内します。後任者を連れて、直接ご挨拶に伺うのが、より丁寧な対応で好印象です。相手からすれば、この先大丈夫かと不安に思う気持ちもあるでしょうから、後任者を紹介することで安心していただければ、それに越したことはありません。

 そこでひとつ気をつけたいのは、ご挨拶の内容です。同業他社へ転職したり、独立したりするなど、今後も同じ業界で仕事をしていく場合に、退職後の自分を売り込むような言動は慎みたいものです。まして、お客様を転職先へ紹介する行為は絶対にしてはいけません。

 退職後も、お世話になった会社と良好な関係を築いていくために、また周囲からこれからのキャリアを応援してもらうためにも、辞め際のマナーと配慮をぜひお忘れなく。

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