離職における建前と本音
会社には、角が立たないように結婚や出産・育児、介護などを退職理由としつつ、本音ベースでは違うところで職場を去っている女性が少なからずいるという現実を、企業側も考える必要はあるでしょう。
女性管理職の不在やキャリアパスの不透明さ、残業の多い職場でワークライフバランスへの取り組みが未整備等々、「この会社では長く働けない」と早々に見切りをつけて、職場を去っていく女性たちがいるのは事実です。
会社側の課題は、確かに多いといえます。しかし、すべてを会社のせいにして、自分の居場所探しのために、後先考えずに会社を辞めてしまうような事態は避けたいものです。
自分からできることを考えてみる
自分が理想とする完璧な職場など、なかなかありません。青い鳥を探すのではなく、まずは視点を現実的に「自分ができること」へシフトしてみましょう。
「今の仕事が単調でやりがいがない」「別の仕事もやってみたい」と感じるなら、どうしたら今より職域を広げられるか考えてみます。社内公募制等があれば、自ら手を挙げることもできるかもしれませんが、そうとばかりは限りません。
たとえば、営業職のAさんは、好成績を上げているために営業部から異動できないのが悩みの種ですが、経営企画の仕事にチャレンジしたいという想いがあります。上司面談の度に希望を伝えてきましたが、なかなか叶いません。そこで、人事異動を実現するために、大学院(MBA)で経営について学んでいます。
経理部門で入出金管理などのアシスタントをしているBさんは、数字の面白さに魅せられ、将来は経理のエキスパートになりたいと、簿記1級を目指して勉強しています。合格したら、その結果とともに会社へもっと専門的な仕事を任せてもらえるようアピールしたいと考えています。
会社を辞めなくても、自分のキャリアを方向転換していくことはできるのです。