ロールモデルは社内で見つけなくてもいい

 会社が適切なキャリアパスを用意してくれたり、教育研修を自由に受けさせてくれるような環境が整っていたら、申し分ないでしょう。しかし、AさんもBさんも、会社がサポートしてくれるわけではなく、限られた時間もお金もすべて自己投資です。将来のキャリアが「この会社では見えない」と諦めることなく、自らの手で何とか切り開こうとしています。

 会社を辞めることは、コンプライアンス上の問題がある場合など状況によっては、一つの有効な解決策である場合もあります。しかし、キャリアへの行き詰まり感の場合、踏みとどまって自分からキャリアや組織を変えていくという選択肢も、考えられるのではないではないでしょうか。

 ロールモデルが社内にいない場合は、社外で見つけてもいいのです。本やインタビュー記事を読んで気になった人でも、「こんな風になれたらいい」と思えたら、未来がイメージできて楽しくなります。積極的に、社外の交流会や、興味あるテーマについて学べる場に出向いてみるのもよいでしょう。

 一方、「職場への不満」があるとき、それが働き方や人事制度上の問題などであれば、会社を持続的に発展させるための女性社員チームからの建設的な提案として、上層部へ進言してみることも一つの方法といえるでしょう。これも勇気が要ることですが、会社に見切りをつける前にやってみる価値はあります。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA

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