こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士 佐佐木由美子です。テレビやラジオで活躍していた某人気コメンテーターの経歴詐称問題、ニュースでご覧になった方も多いのではないでしょうか。今回は、職場における経歴詐称について考えてみましょう。

甘い気持ちが大問題になることも

(C)PIXTA
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 希望の会社に入社するために、「ちょっとごまかして履歴書を書いてしまった」という方がいました。本人としては、まったく悪気はないのでしょうが、こうした行動がのちに大きな問題に発展することがあります。

 採用選考時に提出する履歴書や職務経歴書の記載また採用面接において、学歴や職歴等を偽って申告することを、「経歴詐称」といいます。

 私もこれまで、経歴詐称についてのご相談を受けましたが、軽微なものから「よくここまで書けるとは…」と驚くものまで、様々なケースがありました。その一例を挙げると次のとおりです。

大学中退を大学卒業と詐称

まったく本人と関係のない、有名○○大学卒業と詐称

インターンで2週間いた会社に、1年半勤務したと詐称

マネージャー経験がないのに、管理職であったと申告

前職の給与を大幅に上増して申告し、高額の給与を要求

TOEICスコア、実際は700点を930点の上級レベルと申告

やったことのない職歴を記載

前職の解雇を自己都合退職と記載

1~3カ月程度の短い職歴が複数あるのを秘匿

年齢を5歳若くして申告

派遣社員の雇用期間を正社員と記載

 細かく挙げればきりがありませんが、かなり大胆に虚偽の申告をしているケースもあり、犯罪歴を隠していたという話も耳にしたことがあります。