失業給付に賞与は関係あるか

 次に、雇用保険の被保険者が退職し、転職活動をするときに申請する失業給付について考えてみましょう。

 毎月の給与ばかりでなく、賞与からも雇用保険料は天引きされています。退職前に賞与をたくさんもらっているほうが有利といえるのでしょうか?

 失業給付は、退職した日の直前の6カ月間に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます)のおよそ45~80%。この受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」といい、賃金の低い人ほど、高い率となっています。

 退職日直前の6カ月間が決め手となりますが、ここには残念ながら賞与は含まれません。退職金も同様に含まれません。ここでは、基本給をはじめ残業手当のように、月ごとに支払われるものが対象となります。ちなみに、通勤手当については、1カ月ごとでなく、3カ月や6カ月ごとに支給されている場合も月にならして賃金の対象となります。

 また、同じく雇用保険からもらえる給付金として、育児休業給付や介護休業給付があります。育児休業給付や介護休業給付においても、休業開始前の6カ月の毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額を基準とすることは同じで、給付率は67%(育児休業給付については181日目以降50%)となります。

 雇用保険の被保険者を対象としている失業給付や育児・介護休業給付には、年齢区分によって上限額が決まっています。なお、この上限額は、毎年8月1日に見直され、現在は下記の通り(図表1)。ただし、育児休業給付については、「30歳以上45歳未満」の賃金日額を上限とし、介護休業給付については「45歳以上60歳未満」の賃金日額が上限となり、月額は図表2の通りです。

図表1
図表1
※2017年6月1日時点
図表2
図表2
※2017年6月1日時点

 このように、賞与から各種保険料は天引きされていますが、各種保険制度から支給される給付金を計算するときには、一部の例外を除き、賞与の額は含めないものだということは、意外と盲点といえるのかもしれません。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA