社内恋愛を推奨する企業も

 会社が必要としているポストや職種の要件を社内で公開し、応募者の中から必要な人材を登用する「社内公募制度」を設けている会社の場合、異動できるチャンスは広がるかもしれません。

 また、従業員が人事異動の主導権を握れる仕組みとして「フリーエージェント(FA)制度」があります。FA制度がある会社であれば、自ら手を挙げて他部署へ異動する、といったことはあり得るかもしれません。

 しかし、こうした制度は自らの実績や価値を訴求して、希望する職種や部署に異動したい人が能動的に働きかけることでキャリアアップを図ると同時に、職場の活性化が期待される仕組みの一つです。希望すれば異動できるとは限りませんし、ましてや今の職場から離れるためにある制度ではありません。

 社内恋愛は職場のタブーという声もある一方、社内恋愛・社内結婚を推奨する会社もあり、考え方も実に様々。交際宣言を全社員の前で行うと、「カップル手当」がもらえる職場があるかと思えば、失恋したときに精神的ショックを和らげるための「失恋休暇」を申請できる職場もあるなど、ユニークな人事制度を設けている会社もあります。

 一般的に、会社は従業員のプライベートに関与しませんので、辛い場面に遭遇しても、自力で頑張るしかありません。珠代さんも今は苦しいかもしれませんが、目の前の仕事に打ち込んで、新しい道を切り開いてもらえることを願っています。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA

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