行き過ぎた行動は問題になることも

 会社の電力というのは、業務を遂行するために利用するもので、個人が自由に使ってよい、というわけではありません。私用のスマートフォンの充電などを黙認している職場はありますが、一般には好ましい行動とは言えません。

 こういったことを、どこまで職場で管理するかというのは、企業ごとに考え方があります。一般に、就業規則において、「会社の設備や資源を大切に利用しなければならない」といったルールが設けられているのではないでしょうか。

 ある程度の節度をわきまえたものであればまだしも、亜加梨さんのように度を超えて会社の電気を個人利用しているような場合は、服務規律の観点からは問題となり得るでしょう。たとえ、仕事上のパフォーマンスを上げるためといっても、これはやりすぎです。

 また、電源を多く取ろうとして、一つのコンセントから複数の電源を利用する、いわゆる「たこ足配線」も、ホコリなどが原因で発火するおそれもあり、安全面からも心配です。

職場環境の悩みがあれば相談を

 亜加梨さんは、その後会社から厳重注意を受け、電化製品は自宅へ持ち帰ることとなりました。オフィスの乾燥については、他の従業員の意見も取り入れて、空気清浄器型の加湿器を購入することで改善を図るようにしました。

 また、会社としては平等を期するために、業務利用のスマートフォン等の電子機器を除き充電をしないこと、私的な電化製品の持ち込みと個人利用は認めないとする方針を出しました。

 もし、職場の空調が寒すぎる、熱すぎる、部屋の照明が暗すぎる、騒音や喫煙の問題など、身体とパフォーマンスに影響を与えるような問題で悩みを抱えているのであれば、まず上司や会社に相談してみましょう。

文/佐佐木由美子 写真/PIXTA

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