「バファリン」は種類によって対象外に

 また、スイッチOTC医薬品とは、医療用から転用された医薬品で使用実績があり、比較的副作用が少なく安全性の高い成分を市販薬に配合したものです。薬効例としては、かぜ薬や胃腸薬、鼻炎用内服薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などが挙げられます。ただし、こうした市販薬のすべてが対象となるわけではありません。約1500超の品目が厚生労働省より選定されています。

 たとえば、頭痛薬として昔からある「バファリンA」は対象外ですが、「バファリンEX」や「バファリンプレミアム」は対象となります。このように、商品名だけで判断するのが難しいのですが、市販薬のパッケージには、セルフメディケーション税制の対象であることがわかるように記載がされますので、必ずチェックしましょう。

購入した医薬品の領収書は保管しておきましょう (C)PIXTA
購入した医薬品の領収書は保管しておきましょう (C)PIXTA

従来からの医療費控除との関係

 従来からあった「医療費控除制度」も引き続き利用できます。医療費控除は、病院でかかった医療費以外に、市販薬の費用も対象となりますが、生計を一緒にする家族全員の医療に係る費用が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額)を超えたときにしか適用されません。

 注意点として、セルフメディケーション税制は、従来の医療費控除制度と同時に利用することはできません。購入したOTC医薬品の代金を、どちらの適用とするかは、ご自身で選択していただくことになります。

 病院に行くことは少ないものの、市販薬を購入することが多く、その額が1万2000円を超えるようであれば、セルフメディケーション税制を利用してみてはいかがでしょうか。

 たとえば、課税所得400万円の人(生計を一緒にする家族を含む)が、対象医薬品を年間2万円分購入した場合、8000円が課税所得から控除されます。これによる減税効果は、所得税1600円、個人住民税800円、計2400円となります。