こんにちは、「ワークルールとお金の話」の佐佐木由美子です。社内で普通に仕事をしている中で、もしケガをしてしまったら、いったいあなたはどう対処するでしょうか? 今回は、事後対応で明暗を分けたケースを取り上げます。

意外な場所で思わぬ大けが

 10人もいない小さな職場で、一般事務として働く康代さん(仮名)。来客があったときは、お茶出しをするのも康代さんの仕事でした。いつものように来客者にお茶出しをして、帰ったあとに片付けをしようと複数のコップをお盆で運んでいる最中に、事故は起こりました。

 打ち合わせでちょうど使用していた、移動式のホワイトボードの車輪部分に足を躓かせてしまい、お盆を持ったままの体勢で、思いっきり転倒してしまったのです。大変な衝撃と激痛が走り、康代さんは倒れたまましばらく起き上がることができませんでした。

 職場に迷惑をかけまいと、「大丈夫です……」と言いながら、少し休んでいましたが、その後も全く仕事はできない状態で、上司からは「今日はもう帰っていいから、病院で診てもらって。無理せず、今週は休んでいいから」と言われました。康代さんはすぐに病院へ行きましたが、右腕の前腕部を骨折しており、手術が必要な状態で、全治3カ月の重傷でした。

ホワイトボードがいつもと違う位置に置かれていたことに気付かず、転倒・骨折。これって労災? (C) PIXTA

 利き腕を使えないというのは、日常生活においても大変な困難を強いられるものです。やむを得ず会社を休職することとなった康代さんでしたが、自分の不注意で起きたケガだから仕方ない、と落ち込んでいました。しかし、休職中は無給なうえに、治療代もかさみます。心配した家族から「これは労災ではないのか」と言われ、康代さんは上司に相談してみることにしました。