人事・総務の人必読! 社会保障の仕組みを解説

「教養としての社会保障」香取照幸著

【おすすめする理由】

 日本の社会保障制度について解説した本。単なる制度紹介にとどまらず、マクロから見た社会保障と日本社会・経済・財政問題などは、非常に興味深い内容です。日本の社会保障制度の歴史~過去から未来に向けた提言、北欧諸国の成功モデル等も盛り込まれており、日本の未来を考える上でも非常にためになる良書です。

【私の感想】

 社会保険労務士として社会保障の一部に携わる仕事をしていますが、それでも「なんと社会保障の世界は奥深いものか」と本書を通してひしひしと感じざるを得ませんでした。特にマクロから見た社会保障と日本経済については、私自身も強い危機感を持っているので大変共感するところがあります。女性の働き方については、もう少し踏み込んだ意見があってもよかったかもしれませんが、本書を読むと、日本の社会保障制度が世界に先駆けて制度化され、実に優れたものであると感じるのではないでしょうか

【こんな方に読んでほしい!】

 「社会保障って何だろう?」と思う方はもとより、働き方改革に関心がある方やすべての方に。特に、人事・総務部門等で働く社会保険事務に携わる方は、こうした知識がベースにあるといいと思います

私たちは「人生100年時代」をどう生きるか?

「ライフ・シフト~100年時代の人生戦略」リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著

【おすすめする理由】

 「人生100年時代」というフレーズを広めたベストセラー。人生が短かった時代は、「教育 → 仕事 → 引退」、という3ステージの生き方で問題がなかったものの、寿命が延びれば働き方そのものを見直していかなければなりません。新しい人生のシナリオを考え直す必要があることを気付かせてくれた本書は大きな話題になりました。未来を考えるときに、一読しておきたい内容です。

「人生100年時代」。あなたはどう生きますか? (C)PIXTA
「人生100年時代」。あなたはどう生きますか? (C)PIXTA
【私の感想】

 本書では、人間関係など見えない資産の重要性について指摘していますが、長い人生を生き抜くには、確かに大切なものがいろいろとあることを感じます。特に感じたことは、学び続けることの重要性です。変化の激しい時代、一度身に付けた知識もどんどん陳腐化してしまうので、常に好奇心を持って知ろうとすることが大切だと実感しました。

【こんな方に読んでほしい!】

 働くすべての女性におすすめ。「あなたが何歳だろうと、今すぐ新しい行動に踏み出し、長寿化時代への適用を始める必要がある」と著者は語っています。働き方やパートナーとの関係性について悩んでいる方にとっては、特に参考になると思います

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 いかがでしたでしょうか? 中には、「この本、私も読んだ!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。興味を持ったものがあれば、ぜひ読んでみてくださいね。

文/佐佐木由美子 イメージ写真/PIXTA