ごはんを食べるなら白米がベスト
セミナーの最後に登壇したのは、「日経WOMAN」「日経ヘルス」発行人の藤井省吾。長年「日経ヘルス」編集長も務めてきた藤井は、ごはんについて三つの指摘をしました。
一つ目は、ごはんの中でも特に白米が腸にいい食べ物であること。白米は水分を含んだまま腸を通過するため、白米の摂取量が多い人は便秘が少ないというデータがあると言います。二つ目は、日本人は食物繊維の10%を白米から取っているということ。つまり白米を食べないと大切な食物繊維が減ってしまうというわけです。
そして三つ目は、ごはんを食べない糖質制限ダイエットをすると2日間だけは必ず痩せるものの、その後は続かないという事実。私たちの体は糖質をグリコーゲンというものに変えて蓄えていて、これは2、3キロの水分に絡まっているものなので、水分の多いごはんを控えると自然にグリコーゲンが減少するのですが、一過性なのでその状態は長く続かないというわけです。
「大切なのは、糖質を取って代謝のサイクルを回すこと。そうすれば、糖質は脂肪と一緒に燃えてくれます」と締めくくりました。
1日当たりの適量ごはんってどのくらい?
講演後には、参加者の皆さんにご持参いただいた「マイ茶碗」に炊きたてのごはんを実際に盛っていただき、1食どのぐらいの量のごはんを食べるのが適切かを体験していただきました。
実際によそい、さらに計量することで、ごはんの適量を実感。多くの参加者は、普段の1杯分を大きく上回る量に目を丸くしていました。
毎日のように新しい海外のダイエットや美容法が伝えられる中、日本人にとっては何が一番よいのかを実感できる講演でした。
文/大塚千春 写真/木村輝