睡眠五感と朝の行動が快眠の決め手

 質のよい睡眠とは、以下のような睡眠だ。

ベットに入って20分以内に眠れる
深い睡眠がとれる
夜中に目覚めることなく、朝までぐっすり眠れる
朝、スッキリ起きられる

 質のよい睡眠をとる環境づくりのために、友野さんは「睡眠五感」を提唱する。前述の睡眠難民タイプで、自分のチェックした内容と照らし合わせれば、対策法が分かる。

視覚

 快眠にはやや暗めで暖色系の照明が有効。蛍光灯の白い光は太陽光に似ており、人類の遺伝子の中には、太陽光を見たら覚醒して行動し、暗くなったらリラックスして休む、というメモリーが刻まれているので、暗めの照明が入眠を促してくれる。

 パソコン、テレビ、スマホなどの画面は強い光が出るので、快眠にはNG。友野さんは、「今夜からぐっすり眠りたい人は、寝る前にスマホを見ないようにしましょう。きっと快眠を実感できます」と強調した。

 就寝中の部屋は、真っ暗にするのがベスト。暗いのがイヤな人や夜中にトイレに起きる人は、ベットの下にフットライトを付けたり、人が通ると明かりが点くセンサーを利用するとよい。

 寝室の壁、カーテン、カーペット、寝具、パジャマなどはパステルカラーがベスト。白黒のように、コントラストの強い色は快眠に向かない。「白よりはアイボリーが、まっ赤よりは薄いピンクがおススメです。薄いピンクは母親の子宮内の色。胎児のときの安心感が意識下に刻み込まれていると言われ、リラックスできます。春には薄いグリーンが合い、夏は薄いブルーが涼しさを感じられます」(友野さん)。

嗅覚

 ダイレクトに脳に影響を与える。アロマの香りを鼻から吸うのもいいが、ボディーオイルやマッサージオイル、お風呂に精油を垂らして皮膚から浸透させるのも効果的。好きな香りを嗅ぐと自律神経が整い、免疫系が強化され、内分泌系、ホルモンの分泌を正常にしてくれる。

聴覚

 音がないと眠れない人もいるが、就寝中は無音がよいので、寝る前にタイマーをセットして、1時間ぐらいで無音になるようにしよう。

温熱感覚

 体と布団の間の空間は、温度は33℃±1℃、湿度は45%±5%を維持するとよい。この温度・湿度を保つために、寝室内の温度は春は22~3℃、湿度は60%程度に。60%を超えるとダニやカビが繁殖するので気をつけて。

触覚

 リラックスすることが重要なので、寝具やパジャマの肌触りは好みのものを選ぶことが重要。友野さんは、「枕にこだわる人は多いが、枕が支える部分は体全体の8%のみで、後の92%はマットレスが支えている。枕とマットレスを同じメーカーで、セットで選ぶと正しい根姿勢が保てます」と話す。